2019 Fiscal Year Research-status Report
胎児発育不全に対するタダラフィル投与の安全性に関する分子基盤の確立
Project/Area Number |
19K09800
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
池田 智明 三重大学, 医学系研究科, 教授 (80202894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 博明 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (30727996)
田中 佳世 三重大学, 医学系研究科, 助教 (60812310)
真木 晋太郎 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (90794371)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 胎児発育不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
FGRモデルマウスを用いたタダラフィル経母体投与による基礎研究:L-NAME単独投与群と比較し、L-NAME+タダラフィル投与群では有意に胎仔体重の増加が認められた。生後15日(ヒト1歳半)、および生後30日(ヒト5歳)のL-NAME単独投与群 では、コントロール群と比較して脳梁GFAP発現が有意に亢進し、帯状束MBPおよび海馬synaptophysin発現が有意に抑制されていた。一方で、L-NAME+タダラフィル投与群はL―NAME単独投与 と比較して、脳梁GFAP発現は有意に減少し、帯状束MBPおよび海馬synaptophysin発現は有意に生後15日、30日のいずれにおいても有意に増加していた。また、生後15週齢の体重は、L-NAME単独投与群、L-NAME+タダラフィル投与群間には差を認めなかった。糖負荷試験では、L-NAME単独投与群において、負荷後60分、90分で有意な高血糖を認めたが、L-NAME+タダラフィル投与群は有意な高血糖は認められなかった。NO合成阻害薬(L-NAME)を用いたFGRモデルマウスにおいて、母体へのタダラフィル投与が、胎仔体重・仔耐糖能を改善、神経発達を保護することを確認した。 また、早発型胎児発育不全(32週未満に発症)に対するタダラフィルの安全性の検討・有効性の検証を二重盲検ランダム化比較試験(第Ⅲ相臨床試験)は、特定臨床研究に関する倫理委員会の承認を得て、2019年10月より開始した。現在、15例の登録が行われている。また、今後は協力施設も8施設まで拡大予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度において、シルデナフィルとタダラフィルの比較を実施する予定であったが、シルデナフィルのマウスに対する投与方法の決定が遅れ、2020年度に実施を予定するため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、タダラフィルを用いたランダム化比較試験を継続する。NO合成阻害薬であるL-NAME(Nω-nitro-L-arginine methyl ester)を用いたFGRモデルマウスに妊娠13日目からタダラフィルとシルデナフィルを投与し妊娠17日目に犠牲剖検をおこない、胎仔の肺、腎臓、肝臓、脳、心臓を採取し、病理学的検討(特に血管拡張・収縮に関して)をおこなう。タダラフィルが投与されていないFGRモデルマウス、タダラフィル投与マウス、シルデナフィル投与マウスと比較・検討する。
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Causes of Carryover |
研究計画の遅れによって、次年度使用額が生じたため
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Research Products
(3 results)