2019 Fiscal Year Research-status Report
ヒト未成熟卵から単為発生胚にいたる動的解析と個体加齢および染色体分配異常の関連性
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19K09820
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| Research Institution | Akita University |
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Principal Investigator |
白澤 弘光 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (60598019)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊澤 由紀代 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (70400504)
佐藤 亘 秋田大学, 医学部附属病院, 助教 (10726441)
高橋 和政 秋田大学, 医学部附属病院, 技術系スタッフ (60791910)
安西 実武貴 秋田大学, 医学部, 技術系補佐員 (70770444) [Withdrawn]
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 体外成熟培養 / 単為発生 / 前核 / PGT-A / 胚盤胞 / 未成熟卵子 / ヒト卵子 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は子宮体癌摘出卵巣より回収した未成熟卵子に対する体外成熟培養(IVM)、第1極体放出過程の観察、単為発生過程における前核形成および前核持続時間、卵割プロセス、次世代シーケンサを用いた染色体異数性解析(PGT-A)を行った。本研究においては、ヒト摘出卵巣において開腹時の手術のみならず、腹腔鏡手術時の摘出卵巣由来未成熟卵子に対しても同解析を行い、その成果は第72回日本産科婦人科学会学術集会のinternational sessionにて報告した。我々がこれまで報告してきた独自の手法である子宮体癌手術時の卵子回収は有用な手法であるが、国内外において早期子宮体癌においても低侵襲性手術が広まってきており、腹腔鏡手術やロボット支援手術の際には摘出卵巣まで1時間程度時間を要することが想定される。その場合血管処理により血流が遮断された卵巣が、体温下に回収まで留置されることになり、がん妊孕性温存における卵巣輸送時のon ice輸送と異なる環境下に置かれることとなる。その場合のIVMおよび単為発生過程のタイムラプスおよびPGT-Aを踏まえた検討はこれまで行われておらず、我々は今回初めて報告している。
血管処理等約1時間後に経腟的に回収された卵巣においても2個の卵子が回収され、IVMにより1個の卵子の成熟を得た。この成熟卵に対し6-DMAP、カルシウムイオノファを用いて単為発生刺激を施行したところ前核(PN)が2つ出現し、これらの2PNの出現から消退までの持続時間は28時間であった。この卵は卵割を認めなかったが、PGT-Aでは正倍性を確認している。
また、これまでのIVM、単為発生を行ってきた8症例63個の卵子に対してPN持続時間の解析および、PGT-A解析を進めている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度においては子宮体癌手術症例は3例であり、8個の未成熟卵子を回収しているが、4個の成熟卵を得ており、その過程のタイムラプス解析、単為発生、PGT-Aにおける解析など貴重なヒト卵子を用いた検討を順調に進めている。研究成果においても全国学会における国際セッションおよび国際雑誌における投稿など成果発表準備においても順調に進めている。
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| Strategy for Future Research Activity |
対象年齢層における子宮体癌の年間手術数は多くはないため、限られた症例数において検討していく必要がある。しかし、開腹手術、腹腔鏡手術など異なる摘出卵巣回収手法においても検討が可能となることを確認しており、現手法での検討を2020年度も継続していく。
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| Causes of Carryover |
本研究においては高額な体外成熟培養キットを用いている。研究においては体外成熟培養、単為発生プロセス、染色体数性解析においても10万円以上の経費を要している。また対象患者の手術症例数は年度により変動がある為、本年度生じた次年度使用額においても、1-2症例分の経費であることから、症例数増加を見込んで有効に使用する予定である。
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