2020 Fiscal Year Research-status Report
The quantitative and qualitative evaluation of the specific antibody in otitis prone and the establishment of eligibility criteria for custom-made immunoglobulin therapy
Project/Area Number |
19K09875
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
武田 早織 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (20644090)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 玄 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20407274)
河野 正充 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20511570)
平岡 政信 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (80423945)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 難治性中耳炎 / 肺炎球菌 / オプソニン化能 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、蛋白結合型肺炎球菌ワクチン(PCV13)が世界的に普及し、髄膜炎や敗血症などの侵襲性肺炎球菌感染症に対する著明な予防効果が報告されている。一方で、急性中耳炎をはじめとした上気道感染症に対する予防効果は不十分であり、遷延例や反復例などの難治性中耳炎が臨床上問題となっている。ポストワクチン時代の中耳炎は十分な免疫誘導により容易に治癒する症例と、 不十分な免疫賦活により難治化を来たす症例に2極化している。我々はワクチン接種により肺炎球菌特異的抗体が誘導されているにもかかわらず、難治例が存在する理由の一つとして、抗体の機能不全による免疫能低下の可能性があることに着目した。本研究では難治性中耳炎および健常小児の血清を採取し、肺炎球菌に対する抗体の量的評価(抗体価)とともに質的評価(機能評価)を行うものである。現在、和歌山県立医科大学附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科の中耳炎特殊外来において、鼓膜換気チューブ挿入術が必要と判断された難治性中耳炎患児および健常小児(中耳炎の既往のない睡眠時無呼吸症候群)の血清サンプルの採取を継続している。昨年度までに検体の収集を完了する予定であったが、COVID19の全国的な流行の影響で、小児の手術を一定期間中止する必要があったため、検体の収集が遅れている状況である。現在、検体収集と並行し、抗体の機能評価に必要なオプソニン化貪食能評価の実験系およびELISA法による抗体価評価の実験系の確立を行っている。まもなく、検体の収集が完了するため、最終年度には抗体の質的評価及び量的評価ともに完了できる予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID19の影響により小児中耳炎に対する手術が制限され、血液サンプルの収集が一時停滞したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
まもなく、検体の収集が完了するため、最終年度において抗体の質的評価及び量的評価ともに完了できる予定である。研究計画に変更はなし。
|
Causes of Carryover |
抗体のオプソニン化能評価のための実験系確立において、ウサギ補体を米国より購入しているが輸送が遅れたため、217608円は最終年度に計上することとなった。
|