2019 Fiscal Year Research-status Report
Pathophysiology and genetic predispositions of severe chronic allergic keratoconjunctivitis
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19K09980
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
松田 彰 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00312348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 怜 順天堂大学, 医学部, 助教 (10568207)
海老原 伸行 順天堂大学, 医学部, 教授 (20255699)
浅田 洋輔 順天堂大学, 医学部, 助教 (70596626)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アレルギー性角結膜炎 / 遺伝素因 / 病態解析 / モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
AKCの遺伝的素因の同定:大阪大学遺伝統計学講座の岡田随象教授との共同研究で、難治性AKCゲノムサンプルのGWAS解析を施行した。イルミナ社製のアジア人用SNPアレイを用いた解析を施行した。現在のところ、ゲノムワイド関連解析の有意水準を満たすバリアントは検出されていないが、HLAバリアントのimputationツールを用いた解析から、HLA-DQB遺伝子領域のバリアントに強い関連を示すことを発見し、現在その機能的な意義を検証するための準備を進めるとともに、サンプル数を増やして、他の領域でゲノムワイド関連解析の有意水準を満たすバリアントを検出する試みを継続している。 AKCモデルマウスの作成:抗原感作(ダニ抗原とブタクサ花粉抗原)後、49日間にわたって抗原点眼投与を継続、同時に黄色ぶどう球菌由来の毒素を投与して、結膜の増殖性変化と局所イムノグロブリン産生増大(局所IgE産生)を指標として、AKCモデルマウスのプロトタイプの確立を目指した。その結果、急性モデルとの比較で、杯細胞の増生と好酸球浸潤細胞数の増加を得ることできたが、AKCに見られるような、結膜の増殖性変化や角膜の血管新生・潰瘍形成を伴う所見は見られず、結膜局所の異所性リンパ器官の増生および局所でのIgE産生も見られなかったため、モデルの改良の努力を引き続き継続している。また、当初の計画通り、AKCモデル作成時にリコンビナントマウスIL-33の投与を追加、コレラ毒素の点眼投与や抗原感作した活性化リンパ球のadoptive transferを試みるモデルも現在解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AKCの遺伝的素因の解析は予定通り進捗し、第一弾の解析結果を得た。残念ながら、HLA領域以外にゲノムワイド関連水準を有意に満たすバリアントが検出されなかったため、サンプル数を増やすため、臨床検体の収集を再開した。AKCモデルマウスの作成に関しては、当初予定した実験を計画通りに進めており、予定通りの進捗状況と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は今回GWAS解析で得られたHLA-DQB遺伝子領域のバリアントとAKCの病態の関連の機能的な意味付け、AKCゲノムサンプルの追加収集、AKCモデルマウスの確立のために、抗原の投与方法の工夫を進めてゆく予定である。
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