2019 Fiscal Year Research-status Report
In vivoライブイメージングによるエナメル質形成機構の動的解析
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19K10065
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
進 正史 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (70549261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 幸司 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (80224046)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エナメル芽細胞 / 歯 / 器官形成 / 歯学 / 発生・分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
身体で最も硬い組織を作るエナメル芽細胞の分化やエナメル質の形成機構は、これまで組織学的・生化学的な静的手法で研究されているが、連続的、三次元的、かつ動的な情報が少なく、未だ十分な理解に至っていない。我々の作製したエナメル芽細胞を標識するマウスを用いて、ライブイメージング技術を用いたエナメル芽細胞の細胞動態や機能の解析を行っている。 ヒトにおいてエナメル蛋白分解酵素(MMP20)はエナメル質形成不全症の原因遺伝子の一つであるが、マウスMMP20の欠損や過剰発現によって細胞間接着の破綻とエナメル芽細胞層の形態異常、エナメル質形成障害が認められる。我々は、エナメル芽細胞が分泌する MMP20 が、オートクライン/パラクライン的に細胞間接着分子であるE-, N-cadherinの細胞外ドメインを切断し、複合体をつくるβ-cateninの核内移行シグナルを調節することを明らかにしている。MMP20欠損マウス及び過剰発現マウスとエナメル芽細胞標識マウスを各々掛け合わせ、それぞれのマウスのエナメル上皮細胞の単離培養法やライブイメージング等の解析を行う。 本研究の目的は、種々の遺伝子改変マウスと生体イメージング技術を用い、エナメル芽細胞の動態やミネラルイオン輸送によるエナメル質の形成や石灰化機構を明らかにすることである。これらの取組みは歯の形成障害の病態解明や再生研究に新しい戦略を提供すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エナメル芽細胞が蛍光標識されたマウスからエナメル上皮を単離し、細胞を分離培養した。新しいエナメル上皮細胞の培養細胞を用いた解析法を確立することができた。 ライブイメージング法を用いたエナメル芽細胞の細胞動態の解析については、安定したイメージング技術の取得に時間がかかっているが、徐々にエナメル芽細胞の動きを観察できるようになってきており概ね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
新しく樹立したエナメル芽細胞蛍光標識マウスの細胞株を活用し、①エナメルたんぱく分解酵素(MMP20)による細胞動態制御と②イオン輸送によるエナメル質石灰化機構の解明を進める。 エナメル芽細胞の細胞動態を観察するためライブイメージング法をさらに改善し、エナメル芽細胞がどのように動いて歯を形成していくのかを明らかにする。
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Causes of Carryover |
翌年度に動物の凍結胚作製、マイクロアレイ解析をする予定になり、次年度使用する。
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