2022 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺腫瘍組織発生における亜鉛シグナル制御機構の解明
Project/Area Number |
19K10073
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
入江 太朗 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (00317570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
衣斐 美歩 岩手医科大学, 歯学部, 特任講師 (30609665)
佐藤 泰生 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (40244941)
深田 俊幸 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (70373363)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 唾液腺腫瘍モデル / 腫瘍組織発生 / PLAG1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、唾液腺腫瘍初期組織発生をin vitroにおける顕微鏡下のライブセルイメージングによる経時的変化を記録できる形での観察実現に向けた胎生期マウスの唾液腺原基器官培養系の確立に向け研究を進めてきた。同実験系の確立に向け、胎生期マウスの唾液腺原基を採取し、メンブレンフィルター上で器官培養を行った。使用するフィルターや培養条件の検討を進めたところ、器官培養後、72時間までは胎生期の唾液腺原基のbranchingの維持とその観察が可能であることが確認できた。次にSox9-CreERT2マウスとPLAG1 floxマウスの交配により両アレルを有する胎生期の仔から唾液腺原基を採取し同様に器官培養を行い、培養液中へのtamoxifen添加により唾液腺腫瘍の誘導を行ったところ、24時間後には、tamoxifenによる遺伝子組換えが生じたことを示すGFPの発現が唾液腺原基の上皮成分のみに観察された。これにより、我々が確立した唾液腺腫瘍モデルマウスが、tamoxifen誘導により生じた唾液腺腫瘍導原性遺伝子であるPLAG1遺伝子の過剰発現をSox9発現細胞(唾液腺導管上皮細胞)のみに適切に引き起こされること、tamoxifen誘導による遺伝子組換え後、48時間までの唾液腺腫瘍初期組織発生について本胎生期唾液腺原基器官培養法を用いることにより、リアルタイムにその詳細を把握する手段を得たことを意味する。現在、本実験系においてtamoxifen誘導による唾液腺腫瘍導原性遺伝子過剰発現後に、branchingへの影響とその病理組織学的解析を進めている。Tamoxifen添加後24時間の時点で、本モデルマウスにより生じる唾液腺腫瘍の腫瘍細胞に類似した変化が唾液腺導管上皮に生じることが把握されており、これが如何なるものであるのかの検討を進めている。
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Research Products
(1 results)