2019 Fiscal Year Research-status Report
根面う蝕研究のための新規 ex vivo バイオフィルムモデルの開発
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19K10107
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前薗 葉月 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (00613390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野杁 由一郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50218286)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | バイオフィルム / ex vivo / 根面う蝕 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,超高齢社会を迎え深刻な問題となっている根面う蝕の抑制・制御を最終目標とし,そのために必要な根面う蝕の病態を反映した実際のヒト口腔内サンプルを用いた根面う蝕 ex vivo バイオフィルムモデルを構築することを目的とする。まず健常者と根面う蝕発症者の口腔内の違いについて調査し,それをもとに根面う蝕を再現する ex vivo バイオフィルムモデルを構築する計画で研究を進めている。 大阪大学歯学部附属病院を受診した65 歳以上の患者で根面う蝕を有する者で,インフォームドコンセントを行い同意が得られた者を対象とし、また、歯冠部および歯根面にう蝕のないものを健常者群とし、滅菌されたプラスチックチューブに1分間で得られる非刺激時唾液、および根面う蝕のう窩を覆うバイオフィルムサンプルを滅菌器具を用いて採取した。健常者から得るコントロールサンプルについても同様に唾液および歯頚部のバイオフィルムサンプルを採取した。その後、Powersoil DNA Isolation Kit を用いて細菌由来の DNA を抽出し,ピロシーケンス法を用いた細菌叢のメタゲノム解析(外注)のためのサンプル調整を行った。 根面う蝕 ex vivo バイオフィルムモデルの構築のため、ヒト抜去歯を用いた象牙質ディスクの作製を行った。ヒト抜去歯をセメント-エナメル境で歯軸に垂直に切断し,歯軸方向に平行に根面象牙質を平坦に露出させ,直径5mmの象牙質ディスクを切り出して作製した。作製したディスクはエチレンオキサイドガスにより滅菌し,今後の実験に供試するための準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非刺激時唾液、および根面う蝕のう窩を覆うバイオフィルムサンプル採取を進めてはいるが、外注委託での解析に提出するほどの臨床サンプル数がまだ集まっていないため、ピロシーケンス法を用いた細菌叢のメタゲノム解析にまではまだ到達していない。 代わりに、2020年度に遂行予定であった、根面う蝕 ex vivo バイオフィルムモデルの構築のためのヒト抜去歯を用いた象牙質ディスクの作製を前倒しで行っており、研究の進捗状況としては特に問題がないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
根面う蝕患者の非刺激時唾液およびう窩のバイオフィルムサンプルを継続して採取し、臨床サンプルの解析を行うとともに、準備を進めてきた2020年度遂行予定である ex vivo での実験を開始し、新たな実験モデルに関する解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度に遂行予定であった外注委託での細菌叢の解析が本年度中に行うことができなかったため、次年度予定の実験を前倒しして行ったが、使用額に差異が生じた。この差額は2020年度に外注委託による細菌叢の解析を行い、その際に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)