2020 Fiscal Year Research-status Report
Role of IL-35 in pneumonia model mixed infected with Streptococcus pneumoniae and Porphyromonas gingivalis in Ebi3-/- mice.
Project/Area Number |
19K10138
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
三谷 章雄 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (50329611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 毅 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (40421242)
長谷川 義明 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (70460524)
梅村 正幸 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (90359985)
内記 良一 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (10434622)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 歯周病と肺炎 / 混合感染による肺炎モデルマウス / S. pneumoniae / P. gingivalis / 炎症性サイトカイン / IL-35 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに歯周病と肺炎の関係性に関しては様々な報告がされているが、免疫応答、特にTh17およびTreg関連サイトカインの役割に関連した報告はほとんどなされていない。今回、混合感染による肺炎モデルマウスにおける免疫応答を解析する事で、肺炎の病態解明の一助となるだけでなく、肺炎桿菌や他の細菌感染モデルとの免疫応答の共通点や差異を見出し、誤嚥性肺炎に関連する免疫応答の特徴を明らかにできると考えている。具体的には肺炎球菌と歯周病原細菌の混合感染による実験的肺炎をTregが抑制されているEbi3-/-マウスに惹起し、サイトカイン・ネットワークによる免疫機構および感染防御機構を明らかにする。併せてIL-35を標的とした生体防御機構の調節について検討することで、将来的には肺炎の予防・治療にフィードバックすることを目的とする。 今年度は、条件設定として、C57BL/6マウスに経気道的にP. gingivalisの培養上清とS. pneumoniae菌液により混合感染を行い、組織学的に炎症の惹起状態を観察し、炎症性サイトカインの遺伝子発現・タンパク産生の検討を行った。その結果、混合感染はS. pneumoniae単独感染と比較し肺炎局所における炎症性細胞浸潤、炎症性サイトカイン遺伝子発現・タンパク産生をより促進することを確認した。また、経気道的感染ののち、マウスの生存率を検討したところ、混合感染とS. pneumoniae単独感染ともに感染5日後に生存率0%となった。 次年度はEbi3-/-マウスにP. gingivalisの培養上清とS. pneumoniae菌液により混合感染を行い、肺の組織学的動態、気管支肺胞洗浄液中の血球サブセットの解析、炎症性サイトカイン・ケモカインの遺伝子発現・タンパク産生、および肺組織におけるTh17細胞やTreg細胞とそのマーカーの局在を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
比較的多量の細菌感染を行う必要があるが、肺への感染が原因で死亡するのではなく、経気道的感染の処置自体により合併症で死亡することがあり、手技および条件設定の最適化に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、Ebi3-/-マウスと野生型マウスの両方を用いて、経気道的にP. gingivalisの培養上清とS. pneumoniae菌液を接種し、組織学的に肺の炎症性細胞浸潤を観察する。また、マウスの生存率も検討する。さらに、気管支肺胞洗浄液中の血球サブセットの検討も行う予定である。一方、混合感染による肺炎を惹起したEbi3-/-マウスの肺を採取し、IL-17やIL-23、IL-6、TNF- α等の関連サイトカイン、ケモカインをqPCR法およびELISA法を用いて解析を行う。また、同肺組織におけるTh17細胞やTreg細胞とそのマーカーを免疫組織学的に解析し、免疫担当細胞の局在を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
琉球大学の梅村先生を招へいし、実験や指導を行う予定であったがコロナ禍において不可能であった。そのため、招へいにかかわる旅費や現地で使用予定であったマウスや実験消耗品等も使わず、その後の実験に供した。令和3年度はオンラインではできなかった実験・指導を行う予定とするため、その際とそれ以降で必要となる。
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