2023 Fiscal Year Annual Research Report
Processing of surface modification for reinforcement of dentin by using active calcium phosphates.
Project/Area Number |
19K10144
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石幡 浩志 東北大学, 歯学研究科, 助教 (40261523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 秀明 東京都市大学, 理工学部, 准教授 (00196263)
兼平 正史 東北大学, 歯学研究科, 非常勤講師 (30177539)
山田 聡 東北大学, 歯学研究科, 教授 (40359849)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 象牙質 / 透過性 / 微小流量 / 流量センサー / 象牙細管 / 象牙質知覚過敏 / リン酸カルシウム / リアルタイム計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
象牙質知覚過敏を示す症例に対し、疼痛を緩和する目的で様々な知覚過敏抑制剤が適用されている。象牙質知覚の鈍麻作用に至る機序は各薬剤により様々であるものの、その効果の度合い、持続期間は症例によってまちまちである。同じ症例に同じ薬剤を繰り返し適用した場合でも、時に応じて効果が一定しないケースも少なくない。これは象牙質疼痛を誘発する象牙細管内液の挙動がダイナミックかつ複雑で、しかも外気温や水温などの外部環境に左右されやすいこと、また痛み自体が相当な強さに達するまでは心理的要因によってその不快度に変動が生じやすいこと、などに起因すると考えられる。以上の要素は十分認識されているにもかかわらず、臨床治験の際も含め、事実上、象牙質知覚過敏抑制剤の効果判定を患者の痛み判断に頼る以外にない。個々の症例における薬剤選択の適用基準が曖昧のままなので、象牙質知覚過敏症の処置では未だに術者が試行錯誤をしているのが現状である。象牙質知覚過敏抑制剤の効果に対して客観的で再現性のある評価法が求められている。象牙質知覚過敏症における疼痛は、外来刺激に対して起こる象牙細管内液の移動により、歯髄神経が興奮して生じる(動水力学説)ことが知られている。そのため象牙質知覚過敏抑制剤の多くは、象牙細管内を封鎖または象牙細管開口部の被覆による細管内液移動の抑制を狙ったものである。そこで本研究では、象牙細管内液移動量を定量的に直接計測する方法を開発し、評価を行った。象牙細管内液移動量を計測する方法としてはPashleyのSplit Chamber法が主流である一方、象牙細管内液移動量は極めて微量であるためリアルタイム計測がほぼ不可能であった。開発した計測法は流路中の一部を加温し、その周囲で温められた液の温度変化を計測する事により僅かな液量移動を検知する方法である。研究代表者は歯科用浸麻針の応用を考案し、モデル製作を実施した。
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