2020 Fiscal Year Research-status Report
Verification of neural network reconstruction in the swallowing related higher brain induced by stomatognathic motor learning
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19K10243
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
真柄 仁 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (90452060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 誠 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00303131)
増田 裕次 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (20190366)
堀 一浩 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70379080)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口腔運動 / 嚥下運動 / 経頭蓋磁気刺激 / 口腔機能低下症 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、顎口腔運動トレーニングがもたらす嚥下運動関連の神経可塑性、運動の転移の評価、摂食嚥下障害や口腔機能低下症の対応として、顎口腔運動トレーニングの有効性と、顎口腔運動と嚥下運動の機能連関について神経生理学的に実証することを目的とした。 口唇運動トレーニングについて、健常者18名を対象に、上唇および下唇に表面筋電計を装着した。5秒間の口唇最大閉鎖の閉鎖力および筋活動を計測後、口唇圧計を用いて、最大口唇閉鎖力の50%の力を指向性に0.2秒発揮したときに成功とするトレーニングタスクを2分間、計3セット行い、その成功回数を計測した。そのタスク前後で大脳皮質感覚運動野に経頭蓋磁気刺激を適応した際に生じる運動誘発電位を評価した。最後に5秒間の口唇最大閉鎖時の閉鎖力および筋活動を計測した。 結果、18名全体ではトレーニングタスクの成功回数に有意な増加は認められなかった。一方で、成功回数の増加した9名の群と、変化のない9名の群に分けて検討したところ、成功回数が増加した群では、その成功回数の変化率と口唇の運動誘発電位の変化率に有意な相関が認められた。成功回数に変化のない群では、運動誘発電位の変化との関連は認められなかった。すなわち、成功回数の増加には、大脳皮質の口唇運動に関連した感覚運動野の可塑性変化が関与している可能性が考えられた。更に、各群で、トレーニング前後における5秒間の口唇最大閉鎖時の筋電位の周波数を解析すると、成功回数に変化のない群にのみに有意な徐派化が認められ、成功回数が低い理由として疲労が影響していると考えられた。尚、同時に計測した咽頭筋の運動誘発電位については、口唇運動トレーニングに伴う有意な変化が認められず、嚥下運動への影響は小さいと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
口唇運動トレーニングタスクにおいては、トレーニング効果と口唇の運動誘発電位の変化、疲労の影響について一定の考察が得られたと判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度末より、舌の運動誘発電位の記録を開始している。唾液等の影響により、電極の安定した貼付が困難であるが、吸引電極を使用することで、同様に運動トレーニング前後の運動誘発電位の変化や、咽頭領域への転移の有無の検証を継続している。
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Causes of Carryover |
筋電図記録のための電極購入の支払いが2021年度にずれ込んでいるため. 2020年度は旅費への支出実績がなかったため.
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Research Products
(2 results)