2019 Fiscal Year Research-status Report
G-CSFは薬剤関連顎骨壊死を救えるのか?-マウスによる検討
Project/Area Number |
19K10280
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉村 善隆 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (30230816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 漢忠 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (80180066)
菊入 崇 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (10322819)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 歯学 / 薬剤関連顎骨壊死 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨粗鬆症治療薬の副作用で起こる薬剤関連顎骨壊死(Medication-related Osteonecrosis of the Jaw; MRONJ)は発症すると重篤な症状を起こす。しかし、現在に至っても確固たる治療法が確立していないため、基本的には症状の緩和と感染管理などの対症療法、あるいは、腐骨および壊死骨掻爬などの外科的な処置が主体となっている。 本研究の目的は、ヒトにおける顎骨壊死の予防法・治療法を確立するため、顎骨壊死発症モデルマウスに対して、好中球減少症治療薬であるG-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)を用いて予防・治療可能か検討を行うことである。 マウスに対して、ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体製剤(デノスマブ)は作用しないことを確認しているので、令和元年度においては、マウスに対して、マウスRANKL分子を標的とする抗マウスRANKLモノクローナル抗体、ならびに、アルキル化剤に分類され、強力な骨髄抑制作用を有する抗腫瘍薬であるメルファランを腹腔内投与した。その後、左上第一臼歯を抜去することにより顎骨壊死を起こすことを確認した。摘出した上顎骨に対して、4%パラホルムアルデヒドに浸漬固定した後、μCTにて抜歯窩の観察を行った。その結果、抜歯窩閉鎖不全を伴う歯槽骨の露出と抜歯窩周囲の歯槽骨における骨細胞の消失、抜歯窩内の新生骨の欠如といった典型的な顎骨壊死の症状を発症していた。なお、抗マウスRANKLモノクローナル抗体ならびにメルファラン単独投与マウスにおいては顎骨壊死の症状を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度に歯学研究院の機能改修の一環として、当研究室の移転(2階から5階)が行われ、研究の進行が停滞した。 また、新型コロナウイルス感染拡大防止による行動指針により、現在進行中の研究を継続するため、必要最小限度の研究活動を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度の実験で得られた結果を基に、当初の研究計画を行うことができるように努力したい。
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Causes of Carryover |
研究計画の遅れにより、未使用額1,201,132円が発生した。未使用額に関しては、当初の研究計画を進めるため、令和2年度に使用する。
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