2022 Fiscal Year Annual Research Report
標準治療抵抗性口腔扁平上皮癌における標的可能遺伝子変異の同定と個別化治療の確立
Project/Area Number |
19K10344
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
莇生田 整治 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80296706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 暁 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (00424169)
黄地 健仁 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (30803564)
吉川 桃子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (50570967)
佐谷 秀行 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 名誉教授 (80264282)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 遺伝子パネル検査 / CD44v |
Outline of Annual Research Achievements |
現在のがん治療は臓器特異的であり、いまだ多くの領域で、腫瘍の性質ではなく発生部位で治療法が決まっている。悪性度の違いによる治療法の選択基準がなく、特に低分化癌において従来の抗がん剤に抵抗性を示し、予後不良となることが問題となっている。申請者らはこれまでに、癌の悪性度及び治療抵抗性に関わるEMT/癌幹細胞マーカーCD44vの口腔扁平上皮癌における機能的役割の解析を進めてきた。また、癌間質に着目し、上皮のみならず間葉細胞を標的とした治療の可能性について検討してきた。そこで本研究では、難治性の低分化癌を中心とした口腔扁平上皮癌において遺伝子パネル検査および分子レベルでの解析を加え、CD44vの発現と新規マーカーによる悪性度に基づいた個別化治療の確立を目指すことを目的とした。 当科で手術した口腔扁平上皮癌の検体において実施された遺伝子パネル検査の解析結果と病理組織像の違いについての検討を行ったところ、Actionable変異(治療標的としての介入が期待される遺伝子変異)の数と悪性度の相関性を見出した。すなわち、Actionable変異が多い方が臨床病理学的な悪性度を示すWPOI分類のgradeが高いことが明らかとなった。今後は、Actionable変異数が予後や治療抵抗性を規定する指標となり得るかについて検討し、Actionable変異数やCD44v関連分子に基づいた発現プロファイルを構築することにより、治療開始前に予後や化学放射線療法の有効性を予測できる個別化治療法の確立を目指している。
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