2020 Fiscal Year Research-status Report
個別化された舌癌小線源治療への道-多様な口腔内環境を乗り越えて-
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19K10373
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
秋山 広徳 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20448111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 謙 関西医科大学, 医学部, 准教授 (10463291)
山崎 秀哉 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50301263)
隅田 伊織 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10425431)
門前 一 近畿大学, 医学部, 准教授 (10611593)
清水谷 公成 大阪歯科大学, 歯学部, 名誉教授 (80121820)
武中 正 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80626771)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ファントム / 放射線等価 / リアルサイズ / 口腔・下顎骨 / 舌癌 / 組織内照射 / 線量実測 / 不均質補正 |
Outline of Annual Research Achievements |
①.3Dプリンタによる、リアルサイズ人体放射線等価口腔・下顎骨ファントムの作成に成功した。②.micrioMOSFET線量計(人体に挿入可能な極小線量計)を用いた、線量実測予備実験を行った。③.人体の密度を考慮した線量計算(不均質補正線量計算)に関する論文の投稿準備が整った。 ①に関しては、昨年度までに我々が開発した、CT値が口腔、下顎骨に等しい材料をさらに発展させ、電子密度が等しい所までこぎつけた。その材料を人体等価として、3Dプリンタにより作成したリアルサイズの口腔・下顎骨模型の鋳型に注入し作製した。これにより、放射線に対して、実際の人体と同条件で検討を行う準備が整った。 ②に関しては、自作のアクリル製ファントムと、高線量率組織内照射装置、およびmicrioMOSFET線量計を用いて実験を行った。その結果、照射装置の線量と、micrioMOSFET線量計の数値がほぼ一致することを確かめた。これにより、micrioMOSFET線量計を①のファントムに挿入して線量実測ができることになり、コンピュータ上の計算のみでしか確認できなかった人体各所での線量が、実測で確認できる環境が整った。 ③は、人体を構成する各組織の密度を考慮せずに行われている現状の線量計算が、新たに導入された密度を考慮した線量計算、すなわちより実際の人体に近い不均質補正を行った線量計算が有効であることを示すものである。本論文の方法と、①②を組み合わせたファントムによる線量実測により、人体各所での不均質補正計算の正確性を確認することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3Dプリンタによる、リアルサイズ人体放射線等価口腔・下顎骨ファントムが完成したこと、また、ファントム実験に必須の線量実測実験ができたこと、および不均質補正論文がおおよそ完成したことにより、最終年度にむけた研究環境が整ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
3Dプリンタによる、リアルサイズ人体放射線等価口腔・下顎骨ファントムに、模擬腫瘍(舌癌)を設定する。実際の組織内照射と同様に線源誘導用チューブを刺入し、治療計画を立案する。治療計画は、不均質補正した場合、しなかった場合それぞれ行う。 さらに、micrioMOSFET線量計による線量実測を行い、不均質補正線量計算の正確性を検証する。さらに、ファントムに各種補綴物を装着し、その影響も検討する。
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Causes of Carryover |
当該年度の研究成果である、ファントムの完成、線量実測、不均質補正論文の作成は、おおよそ、前年度までの予算で可能であったため。今後、模擬腫瘍設定のためのマーカーや、実際の組織内照射用のチューブ、ファントム装着用の補綴物、また線量計の購入費用に使用する予定である。さらに、追加のファントムが必要となった場合の作製費にも用いる。
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Research Products
(4 results)