2020 Fiscal Year Research-status Report
Are clock genes involved in the mechanical stress responsiveness of osteocytes?
Project/Area Number |
19K10416
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
近藤 久貴 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (40469002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜村 和紀 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (00422767)
戸苅 彰史 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (80126325)
田中 健二郎 愛知学院大学, 歯学部, 歯学部研究員 (80780296)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 概日リズム / 骨代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちはこれまでに骨代謝には概日リズムがあり、骨代謝の概日リズムには時計遺伝子が関与することを報告している。矯正力による歯の移動は局所での骨代謝の活性化が関与しているとされる。本研究では、マウスへの矯正用エラスティックを用いて歯の移動の日内変動を調べることとした。マウスを朝7時から夜7時まで(明期)に歯の移動を行う明期群、夜7時から朝7時まで(暗期)に歯の移動を行う暗記群、一日中歯の移動を行う全期群とに分け、48時間歯の移動を行い比較した。明期群と全期群は48時間で同程度の歯の移動量であったのに対し、暗期群では有意に歯の移動が抑制されていた。歯根周囲の破骨細胞を調べたところ、暗記群で有意に破骨細胞の割合が低下していたことから、歯槽骨吸収が低下したことから、歯の移動が抑制されたと考えられた。以上の結果からマウスの歯の移動に日内変動があり、暗期に矯正力を適用する方が、明期に矯正力を適用するより、効果的であることが示された。続いて、骨代謝の概日リズムには副腎から分泌されるグルココルチコイドが関与するとされるので、歯の移動の日内変動への副腎の関与を調べることとした。副腎除去マウスと偽手術群を比較すると、副腎除去により歯の移動の日内変動がみられなくなった。そして副腎除去マウスにグルココルチコイドを投与すると再び歯の移動に日内変動を示すようになった。このことから歯の移動の日内変動には副腎皮質ホルモンが関与することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験開始当初、可撤式矯正装置に問題が生じ改良のために実験機スケジュールが遅れてしまったが、エラスティックを用いた代替法がうまく機能し、遅れながらも研究結果の一部を論文にまとめ発表することができた。また、新型コロナウイルスの影響で納期の遅れが生じたことも研究の遅れに関係している。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験で得られた結果から推測されるメカニズムを細胞を用いた実験で検証していく予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度、新型コロナウイルスの影響により、納期が遅れたため、実験計画を数か月後ろへシフトさせた。その影響で今年度使用するはずであった研究費を来年度へ移動させることとした。
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