2020 Fiscal Year Research-status Report
口腔細菌叢のメタゲノム解析によるドライマウスの病態解明
Project/Area Number |
19K10421
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
金子 昇 新潟大学, 医歯学系, 助教 (00397126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濃野 要 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80422608)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ドライマウス / 菌叢解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の増加に伴いドライマウス患者が増加している。唾液の減少は口腔内細菌叢の組成バランスを崩し、この菌叢の変化はドライマウスの病態に影響を及ぼしていると考えられる。ドライマウスの病態を理解する上でドライマウス患者の口腔細菌叢を把握する必要性が指摘されている。本研究では、ドライマウス患者の口腔細菌叢を調べ、症状の原因としての細菌構成、および症状の前触れとなるような細菌構成を明らかにすることを目的としている。 口腔細菌を検討する際、刺激唾液サンプルや擦過サンプルを用いる事が多いが、本研究ではドライマウス患者を対象としていることから、これらのサンプルを苦痛なく再現性をもって採取することが困難である。そこで本研究では、一定量の滅菌水を一定時間洗口させた後に回収した洗口サンプルを用いることとした。 現在の所、菌叢解析の結果はまだ得られていないが、血液寒天培地やCHROMagarカンジダⅡ寒天培地に洗口サンプルを接種したところ、口腔内に粘膜症状を持つドライマウス患者ではβ溶血性を示す菌やCandida albicansが検出された。 本研究の対象者は新潟大学医歯学総合病院予防歯科に通院している外来患者である。新型コロナウイルスの影響から、対象者の募集が遅れており、まだ十分な対象者数が得られていない。引き続き、対象者を増やしつつ、網羅的な菌叢解析を行い、粘膜の疼痛等のドライマウス関連症状の原因としての細菌構成を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、新潟大学医歯学総合病院予防歯科に通院する外来患者を対象としている。しかし、新型コロナウイルスの影響により、歯科外来が数ヶ月休診となったり、歯科外来再開後も受診者にはイソジンで含嗽をしてもらう規則ができたりと、長期にわたって対象者の募集と検体の採取が難しい状況にあった。現在は、対象者の募集を再開して研究を進めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、新潟大学医歯学総合病院予防歯科外来を受診する患者を対象に、必要な人数の確保に向けて、研究を進めているところである。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響で、調査対象者の募集と検体の採取が遅れ気味であったため、その後の検査にかかる費用を翌年度分に繰り越した。今後、募集を継続しつつ検査を進めて行くことから、予定通りの費用を使用する予定である。
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Research Products
(3 results)