2019 Fiscal Year Research-status Report
Screening for individual internal exposure using teeth formed after the accident of Fukushima daiichi nuclear power plants.
Project/Area Number |
19K10458
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 温 東北大学, 大学病院, 助教 (50333828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木野 康志 東北大学, 理学研究科, 准教授 (00272005)
岡 壽崇 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 助教 (70339745)
篠田 壽 東北大学, 歯学研究科, 名誉教授 (80014025)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 福島第一原発事故 / 放射性ストロンチウム / 放射性セシウム / イメージングプレート |
Outline of Annual Research Achievements |
2011年3月に福島第一原発事故が起こったが、半減期が長い放射性核種においては、その生体への影響を検討することは極めて重要である。本研究は生物試料からイメージングプレートへの放射線の露光程度を示すQL値について、核種ごとの貢献を明らかにする方法を開発することを目的としている。イメージングプレートは放射線に反応するという特性から、放射線を発生させた核種については判定できない。しかしながら、福島第一原発事故後の環境で主に問題となる核種はセシウム137とストロンチウム90の二つであるので、これらの核種における崩壊時の最大エネルギーの違いを利用し、適切に遮蔽を行うことでQL値への貢献を明らかにしようとするものである。本年度はセシウム137の発する主なベータ線を遮蔽し、QL値がどのように減少するのかについて検討を行った。セシウム137が発するベータ線のうち94.4%は最大エネルギー0.514MeVで、5.6%は最大エネルギー1.176MeVである。このうち最大エネルギー0.514MeVのベータ線を0.6mm厚のアルミニウム板で遮蔽し、遮蔽がない場合との比較を行った。その結果、補正に用いる塩化カリウムのスタンダードにおいて、遮蔽がないものは20mBq/gから1000mBq/gの範囲でQL値と場くれる濃度には超苦戦関係を認めたが、遮蔽を行ったスタンダードにおいては高いベクレル領域(500mBq/から1000mBq/gの範囲)でのみ直線関係を認めた。減少率はステップの成分である塩化カリウムでは80%程度、生体試料においては90%以上であり、検討した部位で減少率には変動を認めた。また、アルミニウム板に合致した領域でバックグラウンドの上昇を認めた。これらの結果は遮蔽による有用性は認められたが、一方で遮蔽方法については改良する必要性を認め、次年度以降の重要な課題となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
放射性セシウムの最大エネルギーを遮蔽してQL値への応答を検討するという初年度の目的は達成したが、このような遮蔽によってQL値の減少が9割以上となりスタンダードにおいても高線量領域のみの検討に限定されることが判明したため、絶対的な遮蔽が今回用いたものより低いものをもちいて目的が達成できるかを検討する必要がある。さらにアルミニウム遮蔽においてはおそらく制動放射線によるQL値の上昇を認めたためこれについても解決法を模索する必要がある。これらの点をクリアしすることが次年度の大きな目標である。
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Strategy for Future Research Activity |
本来の計画では遮蔽に用いるアルミニウム板を変化させ、それによるQL値の変動を検討する予定であったが、今年度の結果から最大エネルギーを遮蔽する必要性と、遮蔽に用いる物質について検討する必要が生じた。そのため、平均エネルギーによる遮蔽(すべてを遮蔽しないで半分を遮蔽したというデータから核種濃度を推測する)に切り替えることや、青銅放射線の発生が少ない遮蔽体を用いることを検討する予定である。
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Causes of Carryover |
イメージングプレート実験が既存の材料で賄えたこと、サンプル調製が比較的スムーズに行えたことから本年度使用額が少なかったが、次年度以降消耗品については必要量の購入が必要でサンプル調製については予測しにくいが硬組織などの調整で時間がかかると予測している。
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] Radioactive cesium concentration in internal organs and exposure dose of wild raccoons in Namie town, Fukushima2019
Author(s)
Takumi Ono, Yasushi Kino, Hiroaki Tamaki, Toshitaka Oka, Atsushi Takahashi, Toshihiko Suzuki, Yoshinaka Shimizu, Mirei Chiba, Yohei Fujishima, Valerie Goh Swee Ting, Kosuke Kasai, Kentaro Ariyoshi, Akifumi Nakata, Masatoshi Suzuki, Hideaki Yamashiro, Manabu Fukumoto, Tsutomu Sekine, Hisashi Shinoda, Tomisato Miura
Organizer
ohoku University's Chemistry Summer School 2019
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[Presentation] The estimation of detection limit of radiation exposed dose for Japanese macaque with electron spin resonance spectroscopy2019
Author(s)
Yusuke Mitsuyasu, Toshitaka Oka, Atsushi Takahashi, Kazuma Koarai, Yasushi Kino, Tsutomu Sekine, Yoshinaka Shimizu, Mirei Chiba, Toshihiko Suzuki, Jun Aida, Ken Osaka, Keiichi Sasaki, Yusuke Urushihara, Masatoshi Suzuki, Hisashi Shinoda, Manabu Fukumoto
Organizer
Tohoku University's Chemistry Summer School 2019
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[Presentation] 歯や耳石に記録された放射性核種の取り込み履歴2019
Author(s)
小荒井 一真, 松枝 誠, 藤 健壮, 小野 拓実, 木野 康志, 岡 壽崇, 奥津 賢一, 髙橋 温, 鈴木 敏彦, 清水 良央, 千葉 美麗, 小坂 健, 佐々木 啓一, 石井 弓美子, 林 誠二, 関根勉, 福本 学, 篠田 壽, 北村 哲浩
Organizer
日本放射化学会第63回討論会(2019)
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[Presentation] 歯を用いた内部被ばく状況の把握2019
Author(s)
篠田 壽, 高橋 温, 清水良央, 千葉 美麗, 鈴木 敏彦, 木野 康志, 小野 拓実, 小荒井 一真, 岡壽崇, 山城 秀昭, 中田 章史, 葛西 宏介, 有吉 健太郎, 関根 勉, 佐々木 啓一, 三浦 富智
Organizer
日本放射化学会第63回討論会(2019)
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[Presentation] 放射性物質汚染域に棲息するアライグマの硬組織および軟骨組織への放射性物質の取り込み2019
Author(s)
清水 良央, 高橋 温, 千葉美麗, 鈴木 敏彦, 木野 康志, 岡壽崇, 小荒井 一真, 小野 拓実, 関根勉, ゴー バレリ, 葛西 宏介, 有吉 健太郎, 三浦 富智, 篠田 壽
Organizer
日本放射化学会第63回討論会(2019)
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[Presentation] 乳歯に含まれる放射性物質のスクリーニング -イメージングプレートを用いた検討-2019
Author(s)
高橋 温, 千葉 美麗, 相田 潤, 清水 良央, 鈴木敏彦, 木野 康志, 岡 壽崇, 小荒井 一真, 池山 丈二, 海野 仁, 廣瀬 公治,大野 敬, 小坂 健, 棚原 朗, 関根 勉,佐々木 啓一, 篠田 壽
Organizer
日本放射化学会第63回討論会(2019)
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[Presentation] 電子スピン共鳴法による野生動物の外部被ばく線量推定法の検討2019
Author(s)
岡 壽崇, 高橋 温, 小荒井 一真, 光安 優典, 小野 拓実, 田巻廣明, 木野 康志, 関根 勉, 清水良央, 千葉 美麗, 鈴木 敏彦, 小坂健, 佐々木 啓一, 藤嶋 洋平, 漆原 佑介, Valerie See Ting Goh, 有吉 健太郎,中田 章史, 鈴木 正敏, 山城 秀昭,福本 学, 篠田 壽, 三浦 富智
Organizer
日本放射化学会第63回討論会(2019)
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