2021 Fiscal Year Research-status Report
摂食機能評価に基づいた栄養食事指導の有効性と体組成改善への影響の検討
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19K10464
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
西 恭宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (10189251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 格 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (80264448)
中村 康典 独立行政法人国立病院機構鹿児島医療センター(臨床研究部), 歯科口腔外科, 副院長・部長 (30315444)
吉村 卓也 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (30726758)
後藤 雄一 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (00637902)
花田 信弘 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70180916) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 口腔機能 / 栄養 / 体組成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,機能評価と栄養評価を基にした栄養食事指導の介入の有無により,①摂食嚥下機能と食事・栄養の現状を把握した栄養食事指導の有効性,②栄養,食事,体組成の変化状況ならびにそれらの改善状況を生じえる患者側の要因についての関連を明らかすることを目的として始めた。 当初より,①,②を実施するための予備的研究を行い,管理栄養士が栄養指導を実施するために研究協力患者に依頼する食事摂取状況の記録について検討することとし,献立記録または食事写真記録を行ったが,2年目からは栄養指導を実施する管理栄養士の確保が,新型コロナ感染対策上困難となった。そのため,対面による栄養指導の実施を保留して,口腔機能評価に対する食事を経由した栄養のアウトカムである体組成との関連を中心に検討することにシフトさせてきている。さらに,人工知能を利用した栄養食事評価をスマートフォンにて行うツールが発表され試行してみところ,高齢者にとってはアプリの使用や写真撮影にかなりの難しさがあることがわかった。食事の写真撮影自体にもある程度の慣れと練習が必要であると思われた。 また,大学病院補綴科において口腔機能低下症の検査ならびにサルコペニア,フレイルに関する検査を66名(男性37名,女性29名)に実施し,各口腔機能検査,サルコペニアおよびフレイルの関係について検討した結果,52名が口腔機能低下症,10名がサルコペニア,4名がフレイルと診断された。サルコペニアの有無ならびにフレイルの有無に対して,舌圧ならびに聖隷式嚥下質問のみが有意な相関を示す結果となり,サルコペニア群は非サルコペニア群より,フレイル群は非フレイル群より舌圧は有意に低値となることがしめされた。またロジスティック回帰分析から舌圧はこれらの全身状態に有意に影響を与える因子であることが見い出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
栄養食事指導の実施が社会情勢から困難であったが,栄養のアウトカムとして体組成を取りいれることで一定の結果が得られてきているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力者による計測結果データの採取が進んできているので,これらの分析を行っていく。
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Causes of Carryover |
学会がWeb開催等で行われたため,予定されていた旅費が使用されなかったことと,栄養食事指導のための栄養士の雇用費を使用できなかったことにより,次年度使用額が生じた。現在はこれまで経験した栄養食事評価を研究協力者に求めることの難しさから,栄養のアウトカムを体組成として評価する研究にシフトしており,今後もこれを継続しつつ,計測機器の消耗品を購入し,学会も集会形式で行われる予定であることから学会発表旅費,ならびに論文掲載料に研究費を使用することができると考えている。
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Research Products
(9 results)