2019 Fiscal Year Research-status Report
International Empirical Study on the Impact of Inter-professional Collaboration Teams on the Quality of Healthcare Services
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19K10491
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Research Institution | Tokyo University of Information Sciences |
Principal Investigator |
松下 博宣 東京情報大学, 看護学部, 教授 (70591949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤谷 克己 文京学院大学, 保健医療技術学部, 教授 (80604123)
市川 香織 東京情報大学, 看護学部, 准教授 (90375882)
土谷 朋子 文京学院大学, 保健医療技術学部, 准教授 (40555075) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 多職種連携 / チーム医療 / 医療の質 / 医療安全 / コンピテンシー / システム科学 / 主観的幸福感 / コンフリクト・マネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
共同研究者であるカナダのウェスタン大学オーチャード博士が開発した多職種協働評価スケール(AITCS:Assessment of Inter-professional Team Collaboration Scale)を本人の許諾を得て日本語化した。AITCS-II-J(日本語の23質問版)、コンピテンシー計測質問票、医療安全の計測質問票、組織風土における促進要因、阻害要因を探る質問票、主観的幸福度を計測する質問票等を合わせて設計し、クラウド上に格納した。浜松市リハビリテーション病院(n=143)、富士宮市立病院(n=358)、聖隷三方原病院(n=230)の3医療機関と共同調査を実施した(nは収集したデータ数)。 ①AITCS-II-Jの23項目3因子についてCronbach's αを算出したところパートナーシップ0.91、協力0.94、調整0.92であった。因子分析の結果と合わせ、AITCS-Ⅱ-Jの信頼性、妥当性は日本語環境においても十分にあると判断された。 ②その上で、職種、部門、部署における多職種協働の実態の差異、特徴を計量的に把握することに成功した。対象とした職種は、医師、薬剤師、看護師、保健師、助産師、看護補助、診療放射線技師、臨床検査技師、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、臨床心理士、視能訓練士、管理栄養士、臨床工学技士、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、事務職、事務技術職等であった。 ③収集したテキストデータを共起ネットワーク分析にかけて、組織風土における多職種連携の促進要因、阻害要因を特定した。 ④自分自身が強いと認識するコンピテンシーと多職種連携に必要であると認識されるコンピテンシーの乖離を計測し明確化した。 以上の4点が2019年度の主要な成果、発見である。これらを共同研究者のブロック大学プレンティス博士を招聘し、本研究の中間的成果を文京学院大学で6月に開催された国際会議Health Forum 2019(座長:研究分担者藤谷克己)にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外研究協力者のネットワークづくり、研究協力医療機関づくり、データ収集は順調に進捗したものの、医療安全、医療の質、主観的幸福度、コンピテンシー、キャリア課題に関するデータ分析が不十分であり遅延したが、論文、学会発表ともにほぼ計画どおりに進捗し、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、以下の6点をゴールとして研究を進捗させる。 ①共同研究医療機関として、JR札幌病院(312床)、トヨタ記念病院(527床)、名古屋掖済会病院(602床)、富士病院(160床)等を含め、データベースを拡充する。②初年度使用した質問票に修正、改善を加え精緻化する。具体的には、コラボレーティブ・リーダーシップを計測するスケール (AICLS) の日本語版と医療安全、コンピテンシー等に関する質問をウェブ版の質問票に統合する。③共同研究者のオーチャード博士を招聘して国際会議において研究成果を報告する機会を持つ。④オーチャード博士がリードするグローバル多職種連携コンフリクト・マネジメントに関する研究に参加して有用な知見を創出する。⑤以上の国際共同研究の成果を英語原著論文として発表する。⑥蓄積された研究成果をベースにして、多職種連携のシステム科学を主題とする単行本を出版する。 研究チームとして、データ分析、論文執筆生成能力を向上させるため相応の能力を持つ研究分担者を新規にアポイントする。研究メンバーは、それぞれのサブテーマについて最低1報のファーストオーサーになる。
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Causes of Carryover |
Dr. Prenticeの日本招待講演に伴う費用は、国際会議主催者の文京学院大学の負担となった。2020年度の国際研究セミナーを開催する際の費用とする。
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Remarks |
「多職種協働チームのヘルスケアサービスの質に対するインパクトの国際的実証研究」研究課題(研究課題/領域番号19K10491:研究代表者松下博宣)に関係する論文、研究ノート、会議スライド、講演資料、記事などのアーカイブ。
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Research Products
(21 results)