2019 Fiscal Year Research-status Report
Developing, implement and evaluating a curriculum for a resilient medical student in Japan
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19K10492
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
土屋 静馬 昭和大学, 医学部, 准教授 (70439438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂下 暁子 昭和大学, 医学部, 教授 (00221268)
泉 美貴 昭和大学, 医学部, 教授 (30228655)
木内 祐二 昭和大学, 医学部, 教授 (50204821)
高宮 有介 昭和大学, 医学部, 教授 (90255737)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | レジリエンス育成 / セルフケア / プロフェッショナリズム教育 / 修学支援 / バーンアウト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、リサーチクエスチョンである「日本の医学生にとって標準的で効果的なレジリエンス育成教育プログラムの開発と発展のプロセスにおいて必須の要件とは何か?」に答えることであり、2019年度は主に研究計画書に際した本研究の第1段階である【1】日本人の文化的自己観に根差したレジリエンス育成モデル作成を行った。【1】では、日本と西欧文化圏に属するカナダの経験豊富な緩和ケア医(Resilient Physician)への半構造化面接を行い、両国のResilient Physicianのレジリエンス観の概念図の仮説生成を行った。両国の概念図にはレジリエンス促進因子として「Meaningfulness」、「Humanity」、「Physical health」、「Relationship to others」など9テーマが、レジリエンス抑制因子として「Uselessness」、「Hostile Environment」、「Loss Experience」など6テーマが挙げられ、相互の関係が示された。これらの両国の概念図は多くの共通部分を含むが、日本では促進因子としての「Relationship to others」が強調され、特に「patients/family」、「colleagues」、「mentors」との支持的な関係を築ける場の必要性が示された。一方、カナダでは促進因子として「Autonomy」がより強調され、自己の能力や自律性について内省を通して実感できる学修の場作りの重要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度である2019年度の本研究の実施状況は研究計画書に提示した本研究の3段階のうちの第1段階である【1】日本人の文化的自己観に根差したレジリエンス育成モデル作成、および第2段階である【2】提示したレジリエンス育成モデルに基づいたプログラムの作成作業を進めたことである。【1】については、これらの成果は、第51回日本医学教育学会・京都(2019 どのようにレジリエンスのある臨床医(Resilient physician)を育てられるか? ー昭和大学医学部新カリキュラムにおけるレジリンス育成教育のBlue Print (口演)、および2nd International Congress on Whole Person Care, Montreal(2019) How can we design a curriculum for a resilient medical student? - A blueprint for resiliency programs for medical students in Japan (口演)において発表した。【2】については2021年度より昭和大学医学部において導入される新カリキュラム内で【1】で得られてた成果を活かすために、医学部教育委員会、およびカリキュラム検討委員会内のプロフェッショナリズム教育WG、および臨床医学教育改善WG内で【1】の結果を提示し、教育委員、および各診療科責任者とともに具体的なカリキュラムへの落とし込みを行っている。現時点では、医学部1年から6年までの全学年でのセルフケア教育の実施、指導担任・修学支援制度の活用、臨床実習内の指導医の役割の明確化について検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策については、国内に先駆け医学部6年間通年で一貫したカリキュラムにおけるレジリエンス育成教育プログラムの開発・発展のモデルケースを国内外の医学教育者に提示するために、上記の研究の第1段階に加え、研究の第2、3段階である【2】提示したレジリエンス育成モデルに基づいたプログラムの作成、【3】実施したプログラムの学修効果の評価を進めることである。上述のように2021年より昭和大学医学部の新カリキュラムを導入するために、2020年度は研究成果に基づき医学部全学年でレジリエンス育成教育を具体的なプログラムとして実施できる教育実施計画を完成させることである。引き続き、医学部教育委員会、カリキュラム検討委員会での活動を中心にカリキュラム立案の作業を進め、シラバスの作成(各科目の到達目標、方略、評価の明確化)、各関連ユニットの提示、左記を実施するための教職員へのFaculty Developmentを計画し実施する予定である。
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Causes of Carryover |
2019年度については、積極的に国内外の学会において、これまでの研究成果の発表を行ったが、旅費等に伴う支出を最小限に抑えるために旅券の手配等は自ら行った。また、研究の解析に必要なソフトウェアは価格が抑えられる時期に契約を行ったため2019年度の当初の計画と差額が生じた。2020年度の使用計画としては、引き続き得られた研究成果を国内外の学会において発表するための旅費、および必要物品の購入を中心に行う予定であるが、研究計画書に記載した2020年度の計画に沿って実施する予定である。特に、2020年度は新型コロナ・ウィルス感染症の拡大の影響により海外での成果発表が困難と予測され、電子的な成果発表に切り替え、旅費に係る費用が抑制される見込みで計画する。
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Research Products
(3 results)