2021 Fiscal Year Annual Research Report
病床機能の解析と判別モデル作成による医療機関の役割分担の解明
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19K10538
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
吉井 健悟 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90388471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 能行 京都先端科学大学, 健康医療学部, 教授 (00191809)
東 あかね 京都産業大学, 共通教育推進機構, 教授 (40173132)
長崎 生光 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50198305)
大井 達雄 立正大学, データサイエンス学部, 教授 (10367881)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 医療提供体制 / 病床機能報告 / 地域医療構想 / 公的医療データベース / 新型コロナウイルス感染病床 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域医療構想の実現に向けた公立公的医療機関の機能見直しが進められている。こうしたなか、新型コロナウイルス感染拡大は、都道府県が策定する保健医療計画が想定しない事態となり、感染症対応における医療機関の役割分担や連携体制の構築、病床の不足が大きな問題となった。これらの課題は、地域医療構想の課題と共通する点が多く、現在の医療提供体制の課題を浮き彫りにしたといえる。このような感染拡大が医療提供体制へ与える影響を調査することは、地域医療構想に向けた医療機関の役割分担の解明に重要である。本年度は、都道府県の人口規模に応じた新型コロナウイルス感染病床の整備が進むなか、その容量を超えて増加した患者の受入体制の地域差を解析した。2021年4月から2021年9月までの都道府県ごとの有病率を対象に、格差を示す尺度であるタイル指数を算出し、新型コロナウイルス感染拡大過程の都道府県格差と療養状況間格差を評価した。この結果から、新型コロナウイルス感染症の医療提供体制は、入院確保病床数を超えた感染者の増加に伴い都道府県格差の上昇を認め、その要因として自宅療養者、療養先調整中、宿泊療養者の影響が示唆された(Studia Humana et Naturalia, 2021)。感染拡大時の短期的な医療需要や医療資源のひっ迫状況の分析と感染状況のモニタリングは、新たな新興感染症拡大時の医療提供体制の策定に重要であり、地域医療構想の実現に向けた病床機能の判別モデル構築における基盤情報を得ることができた。
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Research Products
(1 results)