2019 Fiscal Year Research-status Report
Empirical research on advance care planning in the community
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19K10557
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
和田 泰三 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 連携准教授 (90378646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石本 恭子 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (50634945)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アドバンス・ケア・プランニング / 事前指示書 / 高齢者 / 地域在住 / 経管栄養 / 胃瘻 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域在住高齢者と有料老人ホーム入居者を対象としたアドバンス・ケア・プランニング(ACP)を推進することによって、高齢者本人の希望・価値観にそった人生最終段階の医療や介護が実施されるか否か実証することにある。 基盤(C)「高齢者終末期ケアと事前指示の実態に関する縦断的検討」のなかで、事前指示書の作成者は高知県土佐町在住高齢者において約14%、京都市・有料老人ホーム・ライフ・イン京都入居高齢者において69%にのぼることが明らかとなったが、医療関係者と対面してのコミュニケーションの機会や家族との対話、終末期における人工的水分・栄養方法についてのACPの機会は乏しいものであった。 2019年度は土佐町在住者とライフ・イン京都入居高齢者を対象として嚥下機能検査を含めた総合機能評価健診を実施し、ACPの必要性や家族との対話の重要性を説明した。土佐町においては医療代理人指定・療養先の希望、人生最終段階の人工的水分・栄養方法の希望について記すことが可能な独自の事前指示書を新たに作成し、健診に参加した高齢者に配付すると同時に、希望者には遠方の家族に郵送した。また、行政関係者・医療従事者等を対象として胃瘻・経管栄養・中心静脈栄養・末梢点滴等の具体的な人工的水分・栄養方法の利点・難点について説明会を開き、ACP介入を推進した。嶺北地域の主要な医療機関において、ACP記録・事前指示書をカルテに保存し、将来の終末期ケアの方針決定の参考となるようにした。 ライフイン京都においては従来より医療代理人や終末期における具体的な人工的水分・栄養方法を指示できる事前指示書を運用していたが、イラスト付きの説明書を作成して配付し、家族・後見人・施設職員・医療者との対話を促した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は土佐町とライフイン京都において、歯科医師・歯科衛生士らの協力を得て 嚥下機能評価を含めた総合機能評価健診を実施したほか、ACPの必要性や具体的な進め方について、住民や入居者のみならず、医療者・行政担当者・施設職員を対象とした説明会を開催することができた、概ね予定通り進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き高齢者総合機能評価法による地域住民や施設入居者の健康度を測定するとともに、アドバンス・ケア・プランニングや事前指示書に関する住民勉強会、広報活動を継続する。また、研究参加に同意した者が死亡した場合は、医療機関や保健所、役場の協力を得て、アドバンス・ケア・プランニングや事前指示書に記載された本人の価値観が尊重され、希望どおりの医療・介護ケアが実行されていたか否か検証する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた人件費や物品費は、2019年度まで補助事業期間延長が承認された、基盤(C)「高齢者終末期ケアと事前指示の実態に関する縦断的検討」より支出したため、未使用金額が生じた。
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Research Products
(8 results)