2021 Fiscal Year Research-status Report
一般市民の教育参画システム構築から探索する市民に寄り添う医学教育の質的研究
Project/Area Number |
19K10567
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
藤倉 輝道 日本医科大学, 医学部, 教授 (00238552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樫村 正美 常磐大学, 人間科学部, 准教授 (00550550)
稲森 正彦 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (10381477)
池田 直樹 関西学院大学, 司法研究科, 教授 (30454713)
亀井 尚也 関西学院大学, 司法研究科, 教授 (50388732)
早坂 明哲 日本医科大学, 医学部, 助教 (50516094)
大久保 由美子 帝京大学, 医学部, 教授 (80287317)
井上 千鹿子 日本医科大学, 医学部, 非常勤講師 (90453042)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 市民参画 / 医学教育 / ニーズ分析 / 質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では大学が自律的に社会のニーズを把握し、医学教育に反映させるための「一般市民の声を収集し活用するシステム」構築を目指している。わが国のAMEDにおけるPatient Public Involvement (PPI)の取り組み、英国におけるPPIなど、先行研究を参考にしながら研究者間で「一般市民」の定義付けに関する議論を重ね、本研究趣旨に添うと考えられる一般市民候補者6名を研究者らの個人的人脈を通じて選抜した。一般会社員、主婦、公務員、NPO職員、模擬患者などから構成されている。現在、本人ならびに家族が闘病中であるなど特記すべき患者経験はないことを前提とした。このメンバーをコアメンバーとして、その知人の中からさらに「一般市民」に相当する方々を募りインタビューなどを通じて医学教育における社会のニーズを広く探索する予定であった。しかし、COVID-19感染拡大が重なり、普段、医療と関わりを持たず、その必要も無い一般市民に集まっていただき、かつこの状況下で、COVID-19禍という特殊な要素の影響を観念上排除した上で研究に参加して頂くことは困難であった。そこで、ニーズ探索については、Web上にある一般市民の医療や教育に関する質問、意見を取り扱うコンテンツを利用し、その内容をテキストとして用いた質的研究を先行させることに方向を修正した。その結果をもとに、上記コアメンバーの知人等を通じてWebアンケートを行い、ニーズのブラッシュアップを行うこととし準備を進めているのが現状である。今後その結果も踏まえ、再度コアメンバーを対象にインタビューを行い質的研究へと展開する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一般市民の本研究へのリクルート開始と、COVID-19感染拡大が重なり物理的な困難が生じた。また、想定外のコロナ禍となり、医学教育に関するニーズについても、この影響をある程度客観視し、一般化、普遍化することが困難になっている。また研究者側は皆医療人であり、自施設における対応に追われていた。そこで方向性を修正し、まず一般市民の医療へのニーズ、教育へのニーズなどをWeb上の質問コーナーなどから拾い、このテキストを用いた解析(質的研究法も用いる)を先行させ、その結果を前年度までにご協力を仰いだ一般市民にフィードバックし見解を得ることとした。この方針転換に伴い、Webを用いた初期解析に向けた物品の整備等から遅れを生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
一般市民の医療、教育へのWebコンテンツを用いたニーズの探索をまず急ぐ。この目的で、質的研究に即した支援ソフト、この動作に適したPCを用意した。作業補助者の雇用も検討する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍での対応で、当初予定した一般h市民との広い交流、対面インタビューを行うことが難しかった。また国内外の学会発表や出張も制限が加わり行えなかった。このため、初期データとして用いるニーズ探索については、既存のWebコンテンツ中のテキストを元とした解析に切り替え、のちに本研究に参加されているコアとなる一般市民の方々へフィードバックし解析を進めることとした。今後の作業を滞りなく行うために、研究補助者の雇用も念頭におく。
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Research Products
(1 results)