2020 Fiscal Year Research-status Report
MOCA取扱作業者の曝露実態と発がんを含む健康影響解明のための疫学調査
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19K10616
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
塚原 照臣 信州大学, 医学部, 教授(特定雇用) (50377652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 航平 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (40846242)
野見山 哲生 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (70286441)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | MOCA / 生物学的モニタリング / 個人曝露濃度 / 尿中代謝物濃度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、本邦のMOCA取扱職場における曝露実態について、個人曝露濃度測定により明らかにすることを目的としている。体内に取り込まれたMOCAの尿中代謝物と曝露濃度との関連を調べる生物学的モニタリング手法の確立する。さらに健康状態及び過去の病歴等や、過去に勤務した作業者の発がんを含む健康状況を確認し、曝露と生体影響との量反応関係を検証する。 調査対象事業所と対象者数の獲得を目指し、県内外の大学、労働局、労働基準監督署等に調査協力の要請を継続的に行っている。県内外におけるMOCA取扱い事業所の存在は確認は出来ている。しかし、膀胱がん発生事案の報道以降、企業側は調査の実施に関しては慎重であり、また、MOCAの取り扱いをやめて代替物質へ変更を行った企業も複数みられた。引き続き調査の趣旨、企業ならびに個人情報の保護について理解いただきつつ、調査対象事業所の増加を目指して協力要請を行う。2020年度は、1企業より調査協力の申出があった。2020年11月に企業を訪問、現場の作業状況の確認、作業環境測定結果、取り扱い物質の情報、作業従事者の情報の収集を行った。以上の打合せを踏まえ、2021年度に調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
調査対象事業所と対象者の獲得を目指し、県内外の大学、労働局、労働基準監督署等に調査協力の要請を継続的に行っている。膀胱がん発生事案の報道以降、企業側は調査の実施に関しては慎重であり、また、MOCAの取り扱いをやめて代替物質へ変更を行った企業も複数みられた。2020年度は、1企業より調査協力の申出があった。2020年11月に企業を訪問、現場の作業状況の確認、作業環境測定結果、取り扱い物質の情報、作業従事者の情報の収集を行った。以上の打合せを踏まえ、2021年度に調査を行う予定である。2020年度に調査を実施したかったが対象企業との調整までで終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
調査協力事業所において、調査を実施する。調査対象者については、過去の曝露状況を、MOCA扱い量と現在の曝露から推定し、現在及び退職者を含む作業者の曝露推計を行う。各事業場では、シフトによる曝露の変動と、体内へのMOCAの蓄積の有無を確認するため、シフト初日から最終日まで個人曝露濃度測定と各日作業前、作業後の尿を採取し、尿中MOCAを測定する。それ以外の作業者は、シフト最終日の個人曝露濃度、尿中MOCA濃度測定を行う。これらから、MOCA個人曝露濃度と生物学的モニタリングによる尿中MOCAとの相関を確認する。
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Causes of Carryover |
本調査の対象事業所への調査の協力を継続的に要請しているところである。MOCA使用企業が代替化学物質へ変換を諮るなどにより調査希望が見送られたことから、調査協力企業の募集が難航し、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、令和3年度請求額と合わせて、調査希望企業への調査費用に充てる予定である。
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