2023 Fiscal Year Research-status Report
多系統萎縮症の発症に関与する腸内細菌叢異常を解明する-疫学・遺伝子学的視点より-
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19K10654
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
川添 美紀 福岡大学, 医学部, 講師 (30469374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 久富 福岡大学, 医学部, 教授 (20437784)
坪井 義夫 福岡大学, 医学部, 教授 (90291822)
藤岡 伸助 福岡大学, 医学部, 准教授 (20735584)
前田 俊樹 福岡大学, 医学部, 准教授 (50555555)
辻 雅善 近畿大学九州短期大学, 生活福祉情報科, 准教授 (30461809)
佐藤 敦 福岡大学, 医学部, 講師 (60816263)
緒方 利安 福岡大学, 医学部, 准教授 (20609490)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 腸内細菌叢 / 多系統萎縮症 / 前向きコホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、福岡県在住一般住民の前向きコホート研究にて得られた約1000名の健常者と、臨床的に多系統萎縮症(Multiple system atrophy: MSA)と診断された約 100名の患者との腸内細菌叢の組成を次世代シークエンス解析にて比較し、腸内細菌叢異常がMSAの発症や進展にどのような影響を及ぼしている のかを疫学的に明らかにすることを目的としている。これらを比較することで、MSAの発症や重症化を予防し、将来的には認知症など他の神経変性疾患の発症や重症化も予防する方法の開発の足がかりとしたいと考えている。2023年度も、引き続きコントロール群となる一般住民の検体採取や腸内細菌叢解析を中心に行った(川添・有馬・佐藤・辻・前田)。これまでの期間で、約896名の健常者の腸内細菌叢解析を終了している。しかし、研究代表者の留学のため、MSA患者の検体採取は中断せざるを得なかった。2023年秋より研究再開し、現在再リクルートに向け調整中である。そのため、これまでのMSA症例数は、2021年度から変わらず17名である。MSA患者の検体採取は当初の目標数に到達していないが、今後の延長期間で1例でも多くの患者の検体採取を行い、最終的に、疾患分類・罹病期間・進行度などのMSAに関する臨床情報および質問用紙で聴取した既往歴、食事内容などのその他の臨床情報と、腸内細菌叢組成との関連を検討し、研究最終年度に学会で報告する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、ケース群である多系統萎縮症のリクルートは3年で100人の予定であった。しかし、2020年初頭からの新型コロナウィルス感染症のアウトブレイクの影響に加え、研究代表者の留学準備・留学が重なり、患者のリクルートが出遅れた。コントロール群である一般住民のリクルートに関しては、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
再リクルートの準備中である。留学にて神経病理や中枢への蛋白蓄積について研鑽を深めることができたため、本研究にその知見を還元する。
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Causes of Carryover |
研究代表者の留学が影響したこと、当初の想定よりMSA患者のリクルート数が伸びなかったことより、その結果、新規の腸内細菌叢DNA解析数はなかった。そのため、本研究の予算として大部分を占める額を計上していた遺伝子解析費用を下回ったことが次年度使用額が生じた理由である。研究再開後も適切な状況判断の下 に他院への訪問を継続し、MSA患者の診断・リクルート業務を継続してゆく方針である。次年度も引き続き腸内細菌叢DNA解析費用に 使用する予定である。
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