2020 Fiscal Year Research-status Report
Automated grading system for the retinal arteriolosclerosis in a cardiology risk screening
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19K10662
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川崎 良 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授(常勤) (70301067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 孝義 帝京大学, 医学部, 教授 (60344652)
中島 悠太 大阪大学, データビリティフロンティア機構, 准教授 (70633551)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 循環器検診 / 眼底写真 / 網膜血管 |
Outline of Annual Research Achievements |
眼底は網膜血管を直接観察できる稀有な臓器で「眼は全身の窓」とも呼ばれる。循環器疾患のリスク評価における眼底所見には「網膜細動脈径の狭細」(シェイエ分類H所見)と「網膜細動脈硬化所見」(S所見)があり、我が国で広く用いられてきた。本研究では、「網膜細動脈硬化所見」(S所見)の判定方法の標準化や精度向上、また、自動判定システムの開発を進めた。 健診で用いる通常の眼底カメラで撮影したカラー眼底写真から、「網膜細動脈硬化所見」(S所見)を抽出し重症度判定と循環器リスクを提示できるようなシステムの開発を目指し、今年度はその工程を:(1)網膜血管影の抽出、(2)網膜血管影の動静脈分別、(3)網膜動静脈交叉部の検出、(4)動静脈交叉現象の重症度判定、(5)判定根拠の可視化、の5つのプロセスに分割し、その過程を医師が確認できるようにし、それぞれの処理を行う深層学習モデルとそれらを統合したパイプラインを作成した。いずれの処理においても十分に高い精度が得られ、健診での応用について実証研究を行うべく検証を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の目的としていた健診で用いる通常の眼底カメラで撮影したカラー眼底写真から、「網膜細動脈硬化所見」(S所見)を抽出し重症度判定を行う深層学習モデルパイプラインが完成した。さらに、そのリスクを提示する方法、また、そのほかのリスク評価手法との統合などを進めている。さらに、眼底写真における所見と循環器疾患のリスク因子を関連図ける特徴的な病変を探索する研究にも着手した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、大迫研究その他のコホート研究における眼底画像を用いたシステム検証を進める。さらに、眼底写真からそのほかのリスク因子情報について参照しなくとも循環器イベントの予測が可能か、などより実践的なシナリオでの使用に向けた検証を行う。さらに、開発したシステムをウェブなどで学術研究用に公開するなどの発展、その他のコホート研究での利活用、他の眼疾患の自動診断システムとの統合に向けてさらに研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
2019年、2020年に予定されていた検診が新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となり、旅費等の未使用が発生した。その分は2021年度中に行う予定としている。
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Research Products
(5 results)