2019 Fiscal Year Research-status Report
Effectiveness of an HIV-testing promotion program for the youth in Thailand
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19K10668
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
北島 勉 杏林大学, 総合政策学部, 教授 (10234254)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | HIV / 若者 / HIV検査 / ピアエデュケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
世界的に若年層の新規HIV感染者が増加傾向にある。HIV検査とカウンセリング(HIV Testing & Counseling、HTC)は、感染の早期発見と治療につながり、本人の予後だけではなく、他者への感染予防という点でも重要であるが、若年層のHTC利用割合は低い。タイ国においても、新規感染者が減少しているが、近年、若年の献血者のHIV陽性割合や、若年層の性感染症患者が増加しており、今後若年層において新規HIV感染者が増加することが懸念されている。そこで、本研究は、タイ国の一地域の15~18歳の若者を対象として、HTCに関する知識や態度、利用状況を調べ、その情報をもとに、地域の保健医療施設、学校の教員や生徒、地域市民団体と協力しながら、HTC利用促進プログラムを作成、導入し、その有効性を検証することを目的とする。 初年度は、若者のHIV検査受検の促進と阻害要因に関する文献研究を行った。PubMedにおいて、"HIV testing"、"Youth", "Adolescent"というキーワードを組み合わせ、2015年以降に出版された文献を検索したところ17本の論文が該当した。そのうち原著論文12本で、その内アフリカサハラ以南の国を対象としていたものが7本であった。 HIV検査の受検を阻害する要因として、法的に自らの判断で検査することができる年齢、保健医療施設のスタッフの態度、利便性があげられていた。HIV検査の利便性を改善するには、法的に受検できる年齢を下げることを検討することと並行して、若者のニーズにあったサービスを提供できるように保健医療従事者に対して研修等の機会を提供すること、保健医療施設の開業時間の延長や地域ベースでの検査機会の提供、自己検査の普及が重要である。また、親を中心とした若者の支援者の役割についても検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大のため、2020年に入ってから調査地であるタイに渡航ができず、タイ国内においても外出規制、学校の閉鎖、協力をお願いする予定の医療機関が新型コロナウイルス感染者への対応に追われている等の理由で、2020年1月以降、それまで計画をしていた現地の大学での倫理委員会での審査や対象校における調査に関する打合せができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
タイ国内での非常事態宣言が解除され、現地研究協力者が所属する大学が再開した後に、研究倫理委員会に研究計画書を提出する。タイ国に制限なく入国できるようになったら、調査地に行き、医療機関や学校関係者等と研究に関する打合せを行い、なるべく早く調査を開始できるようにする。
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Causes of Carryover |
2020年3月に現地の高校生等を対象に調査を実施する予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大により、現地の学校等の閉鎖された。また、本務校から海外への渡航の自粛要請があり、現地調査を実施することができなかった。タイ国内の非常事態宣言が解除され学校が再開し、入国の制限が解かれ後に、現地の大学の研究倫理委員会に研究計画書を提出し、調査を行えるようにする。
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