2022 Fiscal Year Research-status Report
看護師のキャリア成熟とキャリアレジリエンスの獲得が職業的アイデンティに及ぼす効果
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19K10722
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Research Institution | Bunri University of Hospitality |
Principal Investigator |
伊藤 まゆみ 西武文理大学, 看護学部, 教授 (70316636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 多喜子 杏林大学, 保健学部, 教授 (60583911)
関谷 大輝 東京成徳大学, 応用心理学部, 准教授 (80619213)
上田 佳余子 目白大学, 看護学部, 専任講師 (10770018) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | キャリアレジリエンス / 職業キャリア成熟 / 職業的アイデンティティ / 看護師 / 認知再構成法 / 意味づけ / 感情対処傾向 / キャリアレジリエンス獲得支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は介入研究の準備として,2021年度の分析結果を参考に,キャリアレジリエンスと職業的アイデンティティ並びに職業的キャリア成熟の変数間の因果関係を検討するために,次の仮説を立て,共分散構造解析で,モデルの適合度を確認した。 仮説1:キャリアレジリエンスの獲得は直接的に職業キャリア成熟に影響を及ぼす,仮説2:キャリアレジリエンスは職業的アイデンティティを経由し間接的に職業キャリア成熟に影響を及ぼす。分析は職業キャリア成熟を目的変数に,キャリアレジリンスと職業的アイデンティティを説明変数としてモデルを作成,共分散構造解析を行った。その結果,①キャリアレジリエンス(下位尺度:チャレンジ・問題解決・適応力,新規・興味関心の多様性,未来志向)から職業キャリア成熟(下位尺度:自律性,計画性)への有意なパスにより直接効果が確認された。②キャリアレジリエンスから職業的 アイデンティティ(下位尺度:職業的生き方に関する自分らしさの感覚)への有意なパスを経由して職業キャリア成熟への有意なパスによって間接効果が確認された。③調整済R二乗は職業キャリア成熟が.75,職業的アイデンティティが.53となった。④モデルの適合度はGFI.99,AGFI.96,RMSEA.06となり,比較的許容できる範囲となった。 上記の結果から,キャリアレジリエンス獲得支援では,キャリアレジリエンス(チャレンジ・問題解決・適応力,新規・興味関心の多様性,未来志向)が高まれば職業的アイデンティティ(職業的生き方に関する自分らしさの感覚)や職業キャリア成熟(自律性,計画性)も高まると考えらえるが,職業的アイデンティティの高まりによる職業キャリア成熟への影響は低いことが示唆された。また,2021年度に提案したキャリアレジリエンスの獲得支援プログラムの構成を支持すると考え,2023年度は介入研究を実施することとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
次の3点により遅れが生じている。 1.本プログラム開発において,COVID19に関連した医療機関の混乱状況が続き,施設への依頼がしにくい状況が続いていた。 2.現時点で介入すれば,調査対象者のデータには特異的な事態(COVID19)の影響が出やすく,今後のキャリア発達に着目した継続教育を検討するうえでは一般化しにくい状況が推測された。 3.研究代表者の健康状態(左第2指の骨折,COVID19の感染並びに後遺症)が悪化し,研究を推進できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,下記の手順で研究を推進する。 1.実験計画を6月下旬までに作成する。具体的には介入に用いるコンテンツ(テキストと動画),データ収集の準備(Web調査会社への依頼,HPを利用した募集 システム)をする。 2.6月下旬に倫理審査会に提出し,承認が得られ次第,研究を開始する。 3.年内にデータの収集を終え,分析開始,成果をまとめる。 4.成果発表のための準備をする。また、これまで未発表であった成果を国内外の学会に発表するとともに、学会誌への投稿を行う。
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Causes of Carryover |
2022年度の助成金が予定通りに遂行されなかった主な理由には,①本プログラム開発のための介入計画の準備並びに実施の遅れによる必要経費の未執行や,②計画実施の遅れと国内外の移動制限に伴う成果発表に係る旅費の未執行などがあった。 2023年度の助成金の主な使用計画では、①本プログラム開発における資料作成や広告に加え,Webによる介入並びにその評価のための調査(Web調査会社利用)に 係る費用,②本研究に関連した未発表の成果の公表(国内外の学会発表と投稿)に係る費用、並びに③Web調査会社以外でのデータ収集や成果発表の場としての ホームページの維持管理費用などが予定されている。
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Research Products
(2 results)