2020 Fiscal Year Research-status Report
看護学生の知識の変容を目指したアクティブラーニングの構築
Project/Area Number |
19K10742
|
Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
石田 智恵美 福岡県立大学, 看護学部, 教授 (50352349)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中本 亮 福岡県立大学, 看護学部, 助教 (20782973)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 知識の変容 / ワークシート / 演習 |
Outline of Annual Research Achievements |
<計画> 1)前年度の評価活動を通して改善された授業を3回のシリーズで実施する。2)授業の前後に同じ内容の質問紙調査を実施する。問いは,「対象者の適切な体温および血圧測定時に必要な留意点」に関する自由記述である。分析はKH corderを使用し,①頻出語を抽出する。②語句どうしの関係について,共起ネットワーク図を作成し演習前後を比較する。③抽出された語句の現れる文脈を明らかにする。3)分析結果を基に,学習者の思考の変化について評価を行う。4)課題の妥当性について検討し次年度に向けて改善案を作成する。5)当該年度の成果を関連する学会で報告する。 <実施状況> 1)コロナ禍で対面での授業及びグループワークが困難であったため,学生はプレゼンテーションの動画を視聴し,ワークシートを使って自宅等で個別に個人ワークを行い,回答をweb上に限定公開して他者の回答を閲覧し,それに対してコメントをするという形式をとった。2)学生が測定時に何を“考える”のか,事前では,「測定前の安静」,「場所」,「時間帯」,「姿勢」などの文脈で出現し,事後では「点滴をしている場合」,「上腕で測定できない場合」,「疾患や障害に合わせて」,などの文脈で出現していた。共起ネットワークでは 血圧測定時の留意点に関する事前調査では,測定する「場合」の「患者」や「腕」を確認し「マンシェット」を「巻く」こと,「点滴」や「麻痺」とは「反対側」の「健側」で測定するなどが挙げられ,どの対象者にも共通して考慮すべき事柄が挙げられていた。一方,事後調査では,「血流」や「循環」,「逆流」などの生態のメカニズムについても言及されていた。3),2)の結果より,演習で思考したことが知識として活用されていると評価できた。4)ワークシートの課題については来年度も継続して検討する。5)研究成果を日本教育工学会2021年春季全国大会で発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
授業及び調査は予定通りに実施できている。コロナ禍で,授業の形態を変更することになったが,試行錯誤していくことで今後の授業の在り方に関する課題や新たな視点が明らかになった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は対面での授業やディスカッションができず,e-learningに学生個別の意見をあげ,全員で意見を確認し,それに対してコメントをするという方法をとった。十分なやり取りができない中でも,他者の意見を参考に思考を広げることは可能と考えるが,今後は,リモート授業を含めて,充実したディスカッションができるように授業方法を工夫し,研究を進めたい。
|
Research Products
(1 results)