2022 Fiscal Year Research-status Report
倫理調整における精神看護専門看護師の倫理的意思決定過程
Project/Area Number |
19K10745
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
遠藤 太 岩手医科大学, 看護学部, 教授 (20404882)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安保 寛明 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (00347189)
末安 民生 岩手医科大学, 看護学部, 教授 (70276872)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 精神看護専門看護師 / 倫理調整 / 倫理的意思決定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、精神看護専門看護師(精神看護CNS)が行う臨床場面における「倫理調整」を質的帰納的に抽出し、分析し、専門職の倫理的な看護実践の基盤を明らかにすることを目的としています。 目的達成のため、当初は精神看護CNS10名程度を対象としていましたが、データの分析を行うにあたり、これ以上の実施が必要であると判断し、一昨年までにさらに10名、合計20名のCNSにインタビューを行いました。その結果、理論的飽和状態に至るまでの十分なデータを入手しました。 その後、SCATの手法を用いた質的分析により、ストーリーラインを生成する作業を進めています。しかし、コロナ感染症の影響により研究へのエフォートが低下したことから、分析作業は中断していました。そこで、1年間の延長申請を行い、再びSCATによる分析を進めています。現時点では、精神看護CNSが倫理的に必要とされる状況や役割、倫理的合意形成の困難性について、ストーリーの中から読み取れるものがあります。しかし、倫理的意思決定における判断の基準については明確になっていません。今後、本年を使って、精神看護CNSの倫理的判断についてさらに明らかにするための分析を継続していきたいと考えています。
以上のように、本研究では精神看護CNSの倫理的な看護実践に焦点を当て、質的帰納的な手法を用いて分析を進めています。コロナ感染症の影響により一時中断しましたが、現在は再開しており、引き続き研究を進めていきます。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年以降、新型コロナウイルス感染症の流行により、授業内容や実習指導の修正、学内での実習に変更が加わったことや、自身が感染症を発症したことによる研究への意欲減退などが重なり、研究におけるエフォートが低下してしまいました。このような状況の中、研究の進捗に影響を与えることを避けるために、再度研究に取り組み、研究の遅れを取り戻すために頑張っています。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は、20名のインタビューデータを基に、SCAT分析を行い、ストーリーラインを生成していきます。論文としてまとめた内容に関しては、再来年度に精神保健看護学会において発表を行う予定で、それに向けて鋭意推進していきます。
|
Causes of Carryover |
昨年度、コロナ感染症の影響により、研究が一時的に中断されたことから、当初予定していた研究費の執行ができませんでした。また、予想以上にデータ処理が多くなり、既存のパソコンでは処理速度が追いつかなくなってしまったため、新たにパソコンの購入費用が必要になりました。さらに、学会発表のための英文作成費用や登録費用が発生する予定です。今後の使用計画としては、新しいパソコンを導入し、研究に必要なデータ処理を迅速に行うことや、学会発表のための費用をまかない、研究成果を発信していくことが挙げられます。
|