2019 Fiscal Year Research-status Report
放射線看護に伴う職業被ばく低減行動を学ぶためのシミュレーション教育ツールの開発
Project/Area Number |
19K10763
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
北島 麻衣子 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (70455731)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山内 暢 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (40514138)
野戸 結花 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (80250629)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 放射線看護 / 職業被ばく / 教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はまず、放射線診療に従事する看護職者の職業被ばくに関する現状を把握し、放射線防護行動の教育が必要な放射線診療場面を選定する目的で文献検討を行った。文献検討は医中誌Web版を用いて「看護師」「被ばく」のキーワードで原著論文に限定して検索し、検索された103件中、放射線診療における看護師の職業被ばくに関連した内容を分析対象とした。診療場面としてはIVR、RI診療に関する報告がみられた。IVRでは、従事する看護師の9割以上が被ばく・防護に関する教育を必要としていた。また、患者に近づく行為が多い人ほど被ばく線量が高い、従事年数が3年経つと被ばく低減行動がわかり被ばく線量が低くなるという報告もあり、患者状態を確認するタイミング、行動の仕方等、従事し始めてからすぐ実践に活かせる放射線防護教育教材の作成が急務であると思われた。FDG-PETはFDGの自動注入器導入やローテーションの工夫による時間の短縮により被ばく線量低減がみられたという各施設からの報告が多く、距離・時間を工夫することで職業被ばく低減に繋がっていた。放射性ヨード内用療法では、看護師の年間最高被ばく線量の報告があり、RI入院患者数、勤務日数と被ばく線量の関連は認められず、介助が必要な患者が入院したために患者と接する時間が長くなる場合には被ばく線量が高くなっていたため、通常と異なる場合のシミュレーション教育ツールが必要と考えられた。 以上よりIVRにおける看護を中心に放射線防護教育ツールを作成する方向とし、次に、IVR施設に勤務する看護師を対象に、放射線防護行動の実際に関する質問紙を作成した。現在、IVRに従事する看護師からのスーパーバイズを基に質問紙を修正している段階であり、完成して施設内倫理委員会から承認が得られた後、郵送またはWebによる調査を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献検索、質問紙作成に時間を要し、今年度予定していた質問紙調査実施まで至っていないため。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在作成中の質問紙が完成次第、施設内倫理委員会に申請、承認が得られた後、郵送またはWebによる調査を行う予定である。質問紙調査により、放射線診療に従事する看護職者を対象として放射線防護行動及び知識及び職業被ばくに関する認識等を明らかにし、看護職者の放射線防護行動に関する現状と課題を抽出する。 質問紙調査で明らかにした現状と課題をもとに、各放射線診療場面における放射線被ばく線量に影響を与える因子を考慮し、被ばく低減に有効と思われる放射線防護行動を実験等で検討し、シミュレーションツールの試案作成にとりかかる予定である。
|
Causes of Carryover |
今年度に実施予定であった質問紙調査ができなかったため生じた。質問紙の印刷、郵送費等に使用する予定である。
|