2019 Fiscal Year Research-status Report
高齢者施設で働く看護職の早期発見・対応能力の向上‐ケースマップの活用と検証‐
Project/Area Number |
19K10788
|
Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
金子 直美 神奈川工科大学, 看護学部, 准教授 (70533206)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 真由美 神奈川工科大学, 看護学部, 准教授 (00708646)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 高齢者施設 / 救急搬送 / ケースマップ |
Outline of Annual Research Achievements |
現在高齢者施設からの救急搬送人員数が大きく増加している。救急養成が多くなる原因として、高齢者は典型的な症状が出ないために発見時には重症化しており、適格な対応が行えないことが挙げられる。一方、緊急度は低いが「念のため」と救急要請としている事例も見られる。高齢者施設の看護職には、早期発見・早期対応の看護が求められる。さらに、高齢者施設では医師が常駐していないため、緊急時の的確な判断が求められる。そこで本研究では、身体状況や処置、対応を時系列で客観的に把握できるケースマップ法に注目した。ケースマップを活用し、高齢者施設で働く看護職の早期発見・早期対応する能力を養うことを目的とした。 研究開始年度である2019年度は、高齢者施設における救急搬送の現状把握として、文献検討結果をもとに、全国の介護老人保健施設および特別養護老人ホームを無作為に2000施設を抽出し質問紙調査を実施した。質問紙の発送が遅れ、2020年2月に実施したため、現在質問紙の回収を行っている段階である。 今後は、文献検討にて全国調査により把握できた早期発見・早期対応が重要だと考える疾患から9疾患抽出し、これら疾患のケースマップを作成し、研修会実施に向けた準備を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献検討、倫理審査申請に時間を要したため、質問紙発送の時期が遅くなってしまった。しかし、文献検討をする中でより具体的な高齢者の救急搬送の状況や疾患を把握することができたため、次年度の研究活動が円滑に進むことが予測される。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は文献検討および全国調査により把握できた早期発見・早期対応が重要だと考える疾患から9疾患抽出する。この9疾患については、先行文献で挙がっていた救急搬送における高齢者の疾患として抽出されている、脳血管障害や急性腹症、心不全および呼吸不全、さらに熱中症や偶発性低体温などの環境異常症をふまえ、これらの疾患を参考にするとともに、質問紙調査の結果をふまえて研修の事例疾患9例を抽出する予定である。抽出した9疾患のケースマップを作成し、研修会実施に向けた準備、そして開催ができるよう努力していく。
|
Causes of Carryover |
(理由) 次年度使用額が生じた理由として、質問紙の発送費用について、メール便を使用したことにより、必要経費が削減されたことが挙げられる。また、調査用紙の回収が終了していないことが原因として挙げられる。返信にかかる費用について、後納手続きを行ったため、今後質問紙の返送費用が発生する。また、参加予定であった学会等が中止となったことも影響している。 (使用計画) 昨年度実施できなかった学会等での最新の研究状況の把握を継続するとともに、今年度実施予定である研修会に向けて必要な物品費に充てることで、充実した研修会になるようにしていく。特に、研修会時に使用したいと考えているシミュレーターの費用に充てたいと考えている。
|