2019 Fiscal Year Research-status Report
看護管理者の倫理的リーダーシップの構造と有効性の検討
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19K10789
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
早瀬 良 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (90571927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 千晴 人間環境大学, 看護学部, 教授 (20434574)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 倫理的リーダーシップ / 看護倫理 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は研究1として、国内外の心理学や経営学の倫理的リーダーシップに関する文献検討を行った。その結果、以下の点に関する示唆を得た。 倫理的リーダーシップの定義はBrownら(2005)の「個人の行動や対人関係による規範的に適切な行動を示すこととその行動をフォロワーに双方向コミュニケーション、強化、意思決定により促進すること」と、De Hoogh & Den Hartog(2009)の「社会的に責任ある方法で目標達成に向け、グループの活動に影響を及ぼすプロセス」が主に用いられている。倫理的リーダーシップの構成概念について、Brownら(2005)は7概念(①公平に正直に行動する②一貫性を示す③誠実さ④他者に倫理的な行動を促進する⑤人々に関心を持つ⑥発言権を認める⑦倫理的なリーダー行動であるための勢力を共有する)を提唱し、Resickら(2006)は6概念(①誠実さ②倫理意識③人間志向④動機づけ⑤励ましとエンパワメント⑥倫理的説明責任)を提唱している。倫理的リーダーシップの測定尺度としては、ELS(Ethical Leadership Scale;Brown et al., 2005)が最も活用されており、「公平に行動すること」、「発言権を認めること」、「倫理的な行動に報酬を与えること」などの10項目で構成されている。その他としては、倫理的リーダーシップがパフォーマンスに及ぼす影響等の示唆を得たが、いずれも看護を対象とした研究は非常に少なく、看護管理者特有の倫理的リーダーシップに関する示唆はまだ得られていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年度に予定していた学会や研究会への参加機会がなくなり、情報収集の機会が減少したことが1つの理由である。また現職の看護師に対するインタビュー調査を計画していたが、この点に関しても新型コロナウイルス感染症の影響により、現職の看護師と対面で接触することが困難となったことが2つ目の理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
看護管理者の倫理的リーダーシップの構成概念を明らかにするためには、先行研究が十分にない現状のため質的なデータ収集が必要となる。対面実施でのインタビュー調査が最もデータ収集には適していると考えてるが、対面実施でのインタビュー調査の実施が難しい状況が続いた場合、リモートでのインタビュー調査、自由記述式の質問紙調査等の別の方法を検討していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症により、参加予定であった学会や研究会への参加ができなかったこと、インタビュー調査の実施ができなかったためである。 現在の状況が継続する場合は、別の調査方法の計画・実施により使用する計画である。
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