2021 Fiscal Year Research-status Report
200床未満病院の地域包括ケア病棟での在宅復帰に関する看護教育プログラムの開発
Project/Area Number |
19K10811
|
Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
横田 素美 文京学院大学, 保健医療技術学部, 教授 (10188815)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 地域包括ケア病棟 / 高齢者患者 / 在宅療養 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域包括ケア病棟を開設している東京都内の200床未満の病院の中から機縁法で選出した病院に研究協力依頼を実施した。2021年7月に研究協力の同意を得られた病院の地域包括ケア病棟に勤務している看護師を対象に研究の趣旨ならびに倫理的配慮に関する説明を実施して、インタビューへの協力を依頼した。2名の看護師からインタビューへの協力同意を得られた。しかしながら、11月にオミクロン変異体が見つかり、感染者数が増加傾向に転じた段階で、研究協力への同意を得られていた病院からも、一時、研究協力の中断の申し入れがあったため、現段階では2名の看護師から得られたデータの分析となっている。地域包括ケア病棟における高齢者の在宅復帰に伴う看護で直面している課題では、入院患者への面会制限により家族が高齢患者を見舞うことができないため患者の状態や状況が分からないことへの不安や、退院後、在宅療養の中で高齢患者がコロナ感染した場合に家族が応できないことへの不安などから自宅に患者が戻ることに消極的になってしまう家族が比較的多い。一方、患者自身は自宅戻りたい思いが強く、双方の思いの食い違いに対応することの困難性が見出された。新型コロナ感染の現在の状況が影響していることは推察されるが、自宅に戻りたいと高齢患者が希望しても、新型コロナ感染以外の理由で、自宅に患者が戻ることに消極的な家族は必ずしも少なくなく、これまでも、こうした患者と家族が思い描く退院後の生活のあり方の違いを看護師がどの段階から、どのように埋めていくかが、重要なポイントであることが浮き彫りになった。特に、家族が退院後の患者の生活のあり様を現実的に受け止めていけるような働きかけの段階的なアプローチが必要と推察された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染のため研究協力に同意して頂ける医療機関を得ることが困難であるため。また2021年の初めは、感染状況が落ち着いていたため、研究協力に同意を頂いた200床未満の病院の地域包括ケア病棟の看護師にインタビューができたが、後半はオミクロン変異体が出現したため、同意を頂いていた病院からも中断の申し入れがあり、研究が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究協力に同意して頂ける医療機関を探すことを第一とする。こうした状況であるので、調査票によるデータ収集の方が望ましいが、実際的には地域包括ケア病棟の看護師が直面している課題は調査票では把握しにくい。インタビューによる抽出する必要があり、機縁法等を最大限に活用して協力機関を見つける。
|
Causes of Carryover |
研究計画の遂行が遅れているため、2022年では課題の抽出ならびに教育プログラム案の作成を実施するため、データ分析に伴う謝金や教育プログラム案作成に協力依頼する在宅看護の専門分野の研究者とのミーティングにかかる費用に使用する。
|