高齢者介護施設における慢性感染症要介護高齢者の受け入れ体制モデルの構築

2019 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K10834
• Research Institution: Juntendo University
• Principal Investigator: 横山 久美 順天堂大学, 医療看護学部, 講師 (50434436)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 島田 広美 順天堂大学, 医療看護学部, 先任准教授 (00279837) ; 小元 まき子 順天堂大学, 医療看護学部, 講師 (20310310) ; 高梨 あさき 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (60567361)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 高齢者介護施設 / 慢性感染症 / 要介護高齢者 / 受け入れ体制整備

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は，高齢者介護施設において慢性感染症要介護高齢者を受け入れるための条件の明確化と受け入れを可能にする体制モデルを構築することである．そこで，目的達成に向けては，研究計画を４段階に分けて，研究を進めていくことを計画している．
令和元年度は，計画１「高齢者介護施設における慢性感染症要介護高齢者の受け入れの実態把握」として，「介護」「施設」「感染症」などをキーワードとした文献検索および文献検討に基づき，高齢者介護施設における慢性感染症を有する要介護高齢者へのサービス提供に関する実際と課題の明確化を図った．その結果，介護分野においては，感染症や感染予防に関した系統立てた研究はほとんど見当たらず，検索された文献の多くは介護施設において流行しやすく，かつ注意が必要となる季節性インフルエンザやノロウイルス感染症などについての特集や感染症の特徴，その予防対策などが解説された内容であった．また，慢性感染症として「MRSA」や「HIV」などの特定の感染症をキーワードに施設での受け入れの現状の文献検討を行った．結果としては，医療機関や医療従事者を対象とした研究論文等はあるものの，介護施設を対象とした研究論文は数少なく，MRSAを有する者の入所判定に関するQ&Aなどの解説が認められるだけであった．
以上のことから，高齢者介護施設においては，感染症を有する要介護高齢者への対応の実態や課題が十分にとらえられていないことから，計画２においてこれらを明確にしていくことの必要性を把握した．

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の計画としては，令和元年度は計画１の文献検討による実態把握および計画２として高齢者介護施設を対象とした質問紙調査の準備・実施までを予定していた．
しかし，文献検討において実態把握に向けた十分な文献を収集することに時間がかかり，計画１の実施にとどまった．

Strategy for Future Research Activity

令和２年度は，分担研究者を１名追加し，計画２の質問紙調査の準備・実施として，文献検討から得られた結果を踏まえた質問紙調査票を作成するとともに，社会の状況を見ながら質問紙調査の実施を進めていく．

Causes of Carryover

令和元年度は，質問紙調査の準備・実施を計画していたため，質問紙調査票の印刷や郵送に係る費用を計上していた．しかし，質問紙調査を令和２年度の計画に移行したため，それに係る費用を繰り越すことになった．