2023 Fiscal Year Annual Research Report
児童・思春期ケアに活かす看護師のための情動知性の育成モデルの評価
Project/Area Number |
19K10857
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Research Institution | The University of Shimane |
Principal Investigator |
大森 眞澄 島根県立大学, 看護栄養学部, 教授 (20437552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 照子 島根県立大学, 看護栄養学部, 教授 (40280127)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 児童・思春期 / 精神科看護 / 情動知性 / グループディスカッション |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】児童・思春期の子どもをケアする看護師の情動知能が、DVDの視聴とディスカッションを用いたセッションに参加することで、どのように変化するのかを明らかにする。 【方法】同意の得られた児童・思春期精神科病棟看護師7名を対象に1回90分、1ヶ月に1回、全3回のセッションに参加してもらった。研究者作成オリジナルDVD「子どもにハグを求められる」「子どもにアゲアシをとられる」「子どもとぶつかる」を視聴してもらい、その後グループ・ディスカッションをおこない、質的データを収集するとともに、セッションの初回と最終回に情動知能尺度を含む質問紙調査を実施した。また、同様の内容を、特別支援教育に携わる教諭にも実施し、看護師と教諭の特徴に異なる点があるのかを検討した。 【結果および考察】7名の看護師は、男性3名と女性4名であり、年齢は20歳代から50歳代、4~21年の看護師経験を有していた。情動知能の下位尺度「自己対応」「対人対応」「状況対応」の3つの得点全てが向上したものは7名中3名だった。また、「自己対応」または「状況対応」のいずれかの得点が向上したものが2名、2名は得点が下がった。得点が下がった看護師2名は、介入前の情動知能の得点が、高い特徴がみられた。 特別支援教育に携わる5名の教諭は、男性1名と女性4名であり、年齢は30歳代から50歳代、10年以上の教育経験を有していた。情動知能の下位尺度「自己対応」「対人対応」「状況対応」の3つの得点が全て向上したものは5名中2名だった。また、「自己対応」「状況対応」のいずれかまたは両方の得点が向上したものが2名、1名は変化が無かった。 情動知能の得点が向上した者は、自身の体験と今現在の看護師または教諭としてのあり様をすり合わせて語ることが出来た。愛着形成の乏しい子どもの粗暴行為の背景には、子ども自身が傷つく前に他者を攻撃してしまうという思春期態勢への解釈がなされていた。
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