2022 Fiscal Year Research-status Report
がん性創傷のにおいに関する在宅版マネジメントモデル(患者・医療従事者用)の構築
Project/Area Number |
19K10861
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
松原 康美 北里大学, 看護学部, 准教授 (10779010)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小坂 愉賢 埼玉医科大学, 医学部, 客員准教授 (50337953)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | がん性創傷 / におい対策 / 在宅版マネジメントモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、がん性創傷のにおい管理に関するアセスメントとケアの現状を明らかにすることを目的に、がん性創傷のケアの臨床経験が豊富な皮膚・排泄ケア認定看護師12名を対象としたフォーカスグループインタビューを実施した。全国的に新型コロナウイルス感染症が拡大した時期であったため、3グループに分け、90分/回、計3回のWEB会議システムを用いたインタビュー調査を行った。研究デザインは質的記述的研究とした。 調査結果はすべて逐語録に起こし分析中だが、主に以下のことが明らかになった。におい管理は滲出液のコントロールと洗浄が重要であること、外用薬・消臭剤・吸収パッドなどを組み合わせて使用すること、空間消臭や廃棄物処理にも配慮すること、患者の生活環境や心理面を重視した全人的なアプローチが重要であることが示された。国内学会の交流集会でがん性創傷のにおいと滲出液の管理に関するテーマを企画し、本調査結果の一部を発表した。参加者とのディスカッションから、がん性創傷をもちながら在宅生活を送る人は多く、本人と家族および訪問看護師が難渋するケアのひとつであることが再認識できた。 本研究のゴールは、局所管理にとどまらず、環境管理、心理的ケアをふまえたがん性創傷のにおい管理に関するマネジメントモデルを作成することである。今回の調査結果を論文として公表するとともに、がん性創傷のにおい管理に関する在宅版マネジメントモデルを構築し、容易に活用できる情報提供ツールを作成する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
理由:全国的な新型コロナウイルス感染拡大の影響により、がん性創傷のケアに専門的にかかわる皮膚・排泄ケア認定看護師を対象としたインタビュー調査の開始時期が遅れた。また研究対象者との日程調整に時間を要したため、データの分析が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、がん性創傷のにおい管理に関するアセスメントとケアの現状に関する皮膚・排泄ケア認定看護師を対象としたフォーカスグループインタビューの結果を論文として投稿する。がん性創傷のにおいに関する在宅版マネジメントモデル(患者用および医療従事者用)案を作成した後、在宅で容易に活用できる情報提供ツールを作成する予定である。
|
Causes of Carryover |
令和4年度は、国内外の学会は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりWEB上での参加となったため、学会参加費以外の費用がかからなかった。次年度は論文投稿、マネジメントモデルの作成、情報提供ツールの作成の諸経費等に使用を予定している。
|
Research Products
(2 results)