2022 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害のあるがん患者の医療・在宅におけるニーズに焦点を当てた緩和ケアの開発
Project/Area Number |
19K10863
|
Research Institution | Kawasaki City College of Nursing |
Principal Investigator |
糸井 裕子 川崎市立看護大学, 看護学部, 教授 (20383094)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野崎 美幸 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助教 (00424052)
吉田 昌 国際医療福祉大学, 大学病院, 教授 (20245640)
鈴木 明美 大東文化大学, スポーツ健康科学部, 講師 (20525183)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | がんサバイバー / 視覚障がい者 / 緩和ケア / ニーズ / 医療 / 地域 / 在宅 / 課題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、視覚障がいのあるがん患者の医療・在宅におけるQOL向上のための緩和ケアの開発を目指すことである。「視覚障がいのあるがん患者の医療・在宅における課題とニーズの特定」を目的に、2020年~2021年に視覚障がいのあるがんサバイバー20名にインタビューを実施した。インタビューの結果を2021年~2022年前半にかけて「視覚障がいのあるがん患者に特有な医療・在宅における課題」に焦点を当て質的分析を行った。この結果、「観察とケア」「不快な症状と対処」「がんに対する不安」「がん治療の影響による視力低下への不安」「仕事と治療の両立」「がん体験者の共有の場」の課題を抽出した。また、この結果を踏まえて2021年にアンケート調査を行い30名の視覚障がいのあるがんサバイバーの医療・在宅における課題を見出した。2022年後半は、これらの課題に対して、東京都内の視覚障がい者の同行援護従業者養成研修(一般課程)で得た知識を活かし、さらに2021年に行った、「ワークショップ」で見いだされた課題への対応策を盛り込みながら対応策を作成した。この対応策の成果は、成果報告書として、冊子にまとめた。冊子は、2000の医療施設に送付配布し、臨床で対応してもらうよう広く周知した。また、視覚障がいのあるがんサバイバー向けの解決策については、冊子と音声版(デイジー)を約60の日本視覚障害者団体連合加盟団体に送付配布した。 また、研究期間全体を通じて実施した研究の成果は以下のとおりである。 視覚障がいのある乳がん患者の医療・在宅における課題として、5カテゴリと11のサブカテゴリを見出だした。 視覚障がいのある前立腺がん患者の医療および在宅生活における課題として、8カテゴリと22サブカテゴを見出した。 さらに視覚障がいのあるがん患者の医療・在宅における課題の分析プロセスにおいて「視覚障がいのあるがん患者とがん以外の病気の患者に共通な医療・在宅における課題を見出した。
|
Remarks |
・成果報告書がんを体験した視覚障がい者の医療および在宅における課題と緩和ケア(視覚障がい者用)冊子および音声(デイジー用CD) ・成果報告書がんを体験した視覚障がい者の医療および在宅における課題と緩和ケア(医療施設用)
|
Research Products
(2 results)