2019 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者に関わる看護師とともにつくるリフレクションを促す教育プログラムの開発
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19K10910
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Research Institution | Shumei University |
Principal Investigator |
江口 恭子 秀明大学, 看護学部, 講師 (10582299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 小夜子 佛教大学, 保健医療技術学部, 教授 (10342148)
志田 京子 大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (20581763)
松下 由美子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (50331806)
糸島 陽子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (70390086)
香川 由美子 梅花女子大学, 看護保健学部, 教授 (80324317)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知症高齢者看護 / 急性期病院 / リフレクション / 実演型教育プログラム / 看護アセスメント力向上 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は認知症高齢者と関わる臨床看護師の課題の明確化を実施する予定であった。協力病院一施設において、病棟責任者と協力して課題の明確化に取り組んだ。病棟勉強会の形で、認知症患者への看護について日頃感じていることを話し合ったり、認知症ケアメソッドであるユマニチュードの勉強会を行ったり、コミュニケーションと身体援助を組み合わせた演習等を5回行った。年度内に個別インタビューを行い、課題について具体化していく予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症の世界的流行にともない病棟への部外者の立ち入りができなくなったこと、保育園休園や小学校休校に伴い、幼い子どもを抱える看護師の勤務日数が減少したことにより、実施出来ないまま年度末を迎えている。 課題の明確と合わせ、2019年度はテストシミュレーションを行った。4月には上記の病院とは異なる病院に協力を得て、認知症看護シミュレーション研修を行った。研修には10名が参加した。研修前と一ヶ月後のアンケートを比較すると、看護師の認知症の人への態度や看護実践のスコアが上昇していたが、統計的有意差は見られなかった。結果は2020年3月に実施される学会で発表する予定であったが、学会が延期となり、2020年度に持ち越された。さらに、複数の施設から集まった看護師を対象にして同内容の研修を行った。 今年度の成果ではないが、前年までに行っていた本研究につながる研究結果は6月に行われた国際看護師協会において発表した。さらに世界看護科学学会(新型コロナウイルス感染症のため誌上開催)においても発表した。加えて、日本看護科学学会学術集会では研究分担者とともにシミュレーション教育に関する交流集会を主催し、その中で研究結果の一部を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究チームメンバーが病棟管理者と研究者グループのみであり、病棟看護師のチームへの参加が得られていない。なおかつ、コロナウイルス感染症の影響で予定していた個別インタビューが行えておらず、認知症高齢者看護の課題を明らかにできていない。しかし、テストシミュレーションを2回実施し、統計的有意差はみられなかったものの、看護師の認知症の人への態度や看護実践を変容させる可能性が見いだされたため、やや遅れてはいるものの、進捗していると考えている。ただし、院内に立ち入る目処が立っていないことから、今後の進捗には不安がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は個別インタビューや研修を行っていきたいが、新型コロナウイルス感染症蔓延の状況から、集合研修や病院への立ち入りが難しいため、状況が変化するまでは最新の情報収集や文献検索、これまで得られたデータの分析と論文作成等に務めたい。状況が落ち着けば、昨年度予定していた個別インタビューを再開し、課題の明確化と今後の研修方法の検討、研修を評価するポイント(デブリーフィングポイント)を明らかにし、シミュレーションのシナリオを作成する。 現在、研究チームメンバーが研究者グループと病棟責任者のみのため、病院看護師のメンバーを増員すべく活動し、テストシミュレーション実施に向けて活動していく。さらに、質問紙による統計的評価だけでなく、インタビューによる評価も行い、シミュレーションプログラムの効果や妥当性を探っていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症蔓延のため、予定していた海外出張および学会参加ができず、その旅費に予定していた金額が残額となった。翌年度はさらに感染症の影響で活動が制限されることが懸念されるため、使用計画を明確とすることは困難であるが、状況に合わせて適切な使用ができるよう、柔軟に対応していく予定である。
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