2019 Fiscal Year Research-status Report
自閉スペクトラム症を背景にもつひきこもりにある者への支援モデルの構築
Project/Area Number |
19K10915
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Research Institution | University of Tokyo Health Sciences |
Principal Investigator |
関根 正 東京医療学院大学, 保健医療学部, 教授 (20404931)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ひきこもり支援 / 自閉スペクトラム症 / 支援モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究目的は、思春期から成人期にある自閉スペクトラム症を背景にもつひきこもりにある者を対象に、ひきこもり・不登校親の会(親の会)の訪問援助として研究代表者が作成した介入プログラムを実施し、その有用性の検討を通じて支援モデルを構築することである。 2019年度は3年計画の初年度として、親の会に所属する家族及び対象者候補に研究説明書を使用して書面と口頭にて研究の概要を説明し、研究協力への同意を得た。また、親の会、社会福祉協議会および役所の精神保健担当との月1回の支援会議を定例として開催し、情報交換や共有、訪問援助や介入プログラムの具体的な実施方法について検討した。 その結果、2019年9月より成人期にある自閉スペクトラム症を背景にもつひきこもりにあるA氏に対する訪問援助を開始した。訪問援助は、全12回、約6か月間実施した。実施期間中は、支援会議での情報交換・共有、支援方法の振り返りを行い、適宜、支援方法を修正した。また、ひきこもり支援の経験を持つ2名の研究者からのスーパーバイズを受けながら支実施した。 他方、ひきこもりの子どもを持つ親として支援を受けることにまつわる過程の解明に関する研究は増加しているが、ひきこもりから社会参加という過程における家族としての体験を把握する研究は僅少であることから、ひきこもりから脱した子どもを持つ親を対象にインタビュー調査を実施し、子どもの社会参加への過程における親としての体験について明らかにした。親としての体験は所属する学会の学会誌への投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、対象者候補からの同意を得ることができ、また、親の会、社会福祉協議会および役所の精神保健担当の協力もあり、支援会議を月1回定例で実施し、訪問援助や介入プログラムの具体的な実施方法について検討することができた。これらにより、2019年9月よりA氏の支援を実施することができた。 このように、2019年度は計画書通りに研究活動を遂行できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度末からの新型コロナウイルス感染症の拡大により、支援会議の開催および訪問援助が難しい状況となり、2020年3月から計画していたB氏への訪問援助型の支援は見送りとなった。 現在、支援会議はリモート会議として実施しているが、訪問援助型の支援は見送っている状況が継続している。今後の新型コロナウイルス感染症の拡大の状況によっては、2020年度の研究活動は計画の大幅な変更を余儀なくされる可能性が高い。親の会、社会福祉協議会および役所の精神保健担当等と月1回の支援会議を通じて今後の方策について検討していく。
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Causes of Carryover |
2019年度末からの新型コロナウイルス感染症の拡大により、支援会議の開催および訪問援助が難しい状況となり、2020年3月から計画していたB氏への訪問援助型の支援は見送りとなった。このため、交通費やデータ入力手数料等のその他の執行計画に変更が生じたためと思われる。 2019年度末に予定してた訪問援助は2020年度の計画と合わせて実施予定であり、予算も執行予定である。
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