2022 Fiscal Year Research-status Report
卵巣がんが疑われる患者に対する術前外来ケアプログラムの開発
Project/Area Number |
19K10920
|
Research Institution | Tenri Health Care University |
Principal Investigator |
松井 利江 天理医療大学, 医療学部, 准教授 (30635090)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸 奈津子 関西医科大学, 看護学部, 教授 (60512069)
青木 早苗 関西医科大学, 看護学部, 准教授 (40516168)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 卵巣がん / 術前看護 / 外来看護 / セクシュアリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は外来看護プログラム案を試行し、評価することを目的としていた。しかしながら、コロナウイルス感染拡大の影響により昨年度までにプログラム案の作成ができず、持ち越しとなっていた。そこで今年度は、卵巣がん患者を対象とした質的調査結果と先行研究を統合し、プログラム案を作成した。作成したプログラム案は、「卵巣がん診断を想定した治療やその後の生活のための準備が整えられる」ことを目的とし、セクシュアリティを柱に認知的準備、行動的準備、関係性強化といった3つの要素で構成した。介入は、初回の外来受診から手術入院までに患者の病状に関する認識の認識をアセスメントし、適切な情報提供を行うための看護面談・電話フォローアップを計画した。 しかしながら、このプログラム案を研究者間で協議したところ、診断から入院までが短期間であり、看護師が介入する機会が少ない現状を考えると、このプログラムの臨床適応は極めて困難と考えられ、看護ケアの指針に留めることが妥当との判断に立った。 次いで、卵巣がん患者のケアに精通した看護師5名を3か所の医療施設から選定し、グループインタビューを行った。グループインタビューでは、看護師らが実践している術前ケアの実際と課題について意見を求めた。その結果、看護師らは卵巣がんが疑われる患者に対して病棟や化学療法室など他部署の看護師、精神看護や不妊症看護のスペシャリストと独自に連携しながら、継続的にケアを実践していた。しかし、看護師が特別な引っ掛かりを感じない患者や、セクシュアリティに関する支援は極めて不足していると認識している現状であった。課題としては、外来看護師は通常、医療的処置を伴う診療のみに立ち会うことが多いこと、卵巣がん「疑い」では診療報酬が発生せず、病状説明に専門・認定看護師の同席依頼がないことなどが明確となり、これらを踏まえた指針を検討する必要性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度に至るまでにコロナウイルス感染拡大により、患者に対する調査が遅れており、それが後にも影響している。看護師に対する調査も、感染が落ち着いた時期を選定したために今年度末になった。
|
Strategy for Future Research Activity |
グループインタビューの調査結果の詳細な分析を行い、外来で行われている看護支援と課題を整理する。すでに作成したプログラム案の要素は残したうえで、臨床で活用できるように、指針として提示する。その後、外来看護師にその指針をもとにケアを実践してもらい、質的な評価を行い、指針を洗練する。
|
Causes of Carryover |
複数の学会がオンライン開催となり旅費が不要であったこと、研究計画の遅れに介入実施者となる看護師への謝礼や伴い論文校閲代金等を執行していないため。
|
Research Products
(1 results)