2021 Fiscal Year Research-status Report
リンパ浮腫早期介入プログラム構築のための研究ー患部の内部構造に着目してー
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19K10925
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大島 千佳 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (30405063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 悦子 関西医科大学, 看護学部, 教授 (00107947)
中西 啓介 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (10464091)
間脇 彩奈 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (10533341)
竹野 ゆかり 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 講師 (20509088)
安藤 詳子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (60212669)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リンパ浮腫 / 乳がん / MRI / 体幹 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、リンパ浮腫患者の体幹部の水分貯留状況と健常者の体幹部の水分貯留状況を比較した。 [方法]乳がん好発年齢とされる40代から50代の健常女性(右利き)の体幹を3Dスキャナーにて走査し、背部を内側から外側にかけて4つのareaに分け、各areaの左右の厚みの差を比較した。また、先行研究で得られている乳がん術後患者群(右利き・右患側)のデータを二次利用し、健常者群と同様の解析を行なった。健常者群、患者群における、体幹背部の左右の厚みの差の検定には、Mann-Whitney U検定を用いた(p<0.05)。 [結果] 健常者群26名の左右の厚みの中央値は、area1で右側が448.74mm、左側が337.44mm、area2で右側が449.92mm、左側が442.43mm、area3で右側が427.96mm、左側が447.19mm、area4で右側が362.97mm、左側が452.32mmであった。左右の厚みの差の検定では、area1とarea4で有意な差が見られた。患者群14名の左右の厚みの中央値は、area1で右側が402.68mm、左側が401.52mm、area2で右側が391.51mm、左側が396.22mm、area3で右側が347.59mm、左側が355.43mm、area4で右側が264.09mm、左側が276.60mmであった。いずれのareaでも有意差はみられなかった。 [結論] 40代から50代の健常女性では、最内側で右側が有意に厚く、最外側で左側が有意に厚いことが明らかとなった。また、健常者群と患者群の比較から、元々健常者で見られた左右の厚みの差が、手術やリンパ浮腫等の影響によって、相殺された可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍における被験者(リンパ浮腫患者)数の減少が、今年度も改善されなかったため、乳がん好発年齢である40代から50代の健常者の体幹の特徴を定量的に把握することを今年度の主な目的とした。今年度得られた結果を、先行研究で得られた乳がん手術後患者の体幹のデータを健常者の体幹の特徴と比較したことで、新知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究活動で、多くの新知見を得ることができたと考える。最終年度の研究活動は、これまで得られた知見をまとめ、つぎの研究活動に寄与できる形に発信することである。
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Causes of Carryover |
COVID-19の流行に伴い、予定していた被験者数が集まらず、主にMRI使用料(15000円/1名)の予算を繰り越すこととなった。また学会発表も、オンラインに変 更となり、旅費も繰り越すこととなった。
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