2022 Fiscal Year Research-status Report
リンパ浮腫早期介入プログラム構築のための研究ー患部の内部構造に着目してー
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19K10925
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
大島 千佳 福井県立大学, 看護福祉学部, 教授 (30405063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 悦子 一宮研伸大学, 看護学部, 教授 (00107947)
中西 啓介 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 講師 (10464091)
間脇 彩奈 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (10533341)
竹野 ゆかり 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 講師 (20509088)
安藤 詳子 一宮研伸大学, 看護学部, 教授 (60212669)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リンパ浮腫 / 乳がん / 3Dスキャナー / 体幹 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、体幹リンパ浮腫の新たな測定法開発の予備調査として、三次元(3D)スキャンシステムを用いた測定方法の信頼性を調査し、最小検出可能変化量(MDC)を定義することに取り組んだ。研究の概要は以下。 乳がんによる乳房切除術を受けた女性21名から取得した3D画像を用いて、体幹部の任意の8ポイントにおける患側と健側の体幹の厚みの差を算出した。信頼性の検証には、級内相関係数とBland-Altman分析を用いた。被験者21名中、欠落のなかった14名のデータを用いてMDCを算出した結果、8ポイント中7ポイントで得られる平均値に、系統的バイアスはなく、体幹中央付近の5ポイントで産出される値に、高い信頼性が認められた。しかしながら、体幹部の頭側・尾側の3ポイントでの値は信頼性を確保することができなかった。すなわち、3Dスキャニングシステムは、参加者の体幹部中央におけるの患側と非患側の厚さの違いを効果的に測定することが明らかとなった。なお今年度の研究成果は、Lymphatic Research and Biology (IF: 2.349). に掲載された。 また、今年度は、オハイオ州立大学総合がんセンター;乳がん治療センター Stefanie Spielman Comprehensive Brest Centerを訪問し、Karen Hock氏を中心とする理学療法士、医師助手の行う包括的リンパ浮腫ケアの実際を学んだ。なお、オハイオ州立大学総合がんセンターは、Lymphatic Education & Research Network(LE&RN)のリンパ浮腫管理における国際基準である「COMPREHENSIVE CENTER OF EXCELLENCE」を満たした世界に16か所しかない極めて貴重な施設である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍における被験者(リンパ浮腫患者)数の減少が、今年度も改善されなかったため、これまでに得られたデータをまとめ、論文として公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究活動で、多くの新知見を得ることができたと考える。最終年度の研究活動は、これまで得られた知見をまとめ、つぎの研究活動に寄与できる形に発信することである。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由: コロナ禍における被験者(リンパ浮腫患者)数の減少、およびデータ収集施設(病院)への訪問制限が、今年度も改善されなかったため、研究期間を延長したことによる。 使用計画: 研究協力施設:名古屋大学医学部附属病院における調査が再開されたため、被験者への謝礼とMR使用料が見込まれる。また、これまでの研究成果を公表するための英文校正料も見込まれる。
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