2022 Fiscal Year Annual Research Report
タキサン系薬剤治療中の乳がん患者が体験する全身性浮腫のマネジメント指標の探索
Project/Area Number |
19K10926
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井沢 知子 京都大学, 医学研究科, 助教 (50538436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒尾 晴惠 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50326302)
山崎 和裕 京都大学, 医学研究科, 講師 (50464227)
幣 憲一郎 京都大学, 医学研究科, 技術職員 (60538643)
森 由希子 京都大学, 医学研究科, 講師 (80456863)
川島 雅央 京都大学, 医学研究科, 助教 (80766676)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 乳癌 / 全身性浮腫 / タキサン系抗がん剤 / QOL |
Outline of Annual Research Achievements |
全身性浮腫はドセタキセル抗がん剤の副作用であるが、浮腫の特徴や関連要因、患者の生活の質(QOL)への影響は不明である。本研究は、ドセタキセル投与中の乳がん患者を対象に、全身性浮腫の定量的評価、QOLへの影響や関連因子を評価することを目的とした。 方法は以下の通りである: 2019年9月から2022年4月にかけて前向きコホート研究を実施した。ドセタキセルによる治療を受けている65人の患者のうち、37人を登録した。体水分量は生体電気インピーダンス分析で定量化し、全身浮腫は有害事象CTCAEのグレードシステムを参照して評価し、QOLはanti-cancer drug の質問票、栄養は自記式質問票BDHQで評価した。調査は、治療開始時、中間時、終了時、1カ月後、2カ月後に行った。また、浮腫のある患者とない患者のQOLの推移を比較した。関連因子を特定するためにロジスティック回帰分析を用いた。 全身性浮腫は参加者の66%に発現し、治療終了時に下肢に最も多く見られた。全身性浮腫のある患者は、ない患者に比べて、治療後1ヶ月に身体面、活力面、精神面に苦痛を多く経験していた。BMI(オッズ比(OR)=1.388、95%信頼区間(CI)0.997-1.932、p=0.052)および体脂肪量(OR=1.217、95%CI 1.006-1.472、p=0.044) は全身性浮腫と関連が見られた。 全身浮腫は治療後に最も発現し,BMIや体脂肪が高い患者では苦痛が増す可能性が示唆された。医療従事者は、治療前の患者に対して継続的なサポートとともに、症状の管理に関する具体的な情報を提供する必要がある。
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Research Products
(3 results)