2020 Fiscal Year Research-status Report
Symptom and Quality of Life after Intensive Care in Japan
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19K10929
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
卯野木 健 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (40465232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
升田 好樹 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10244328)
櫻本 秀明 茨城キリスト教大学, 看護学部, 准教授 (20755590)
井上 貴昭 筑波大学, 医学医療系, 教授 (60379196)
宇都宮 明美 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80611251)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | PICS / 集中治療後症候群 / 重症患者 / PTSD / クリティカルケア / ICU |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本研究では、日本におけるPICSの実態とリスク因子に関して、多施設共同研究で明らかにすることを試みた。なお、本発表ではメンタルヘルスを中心に報告する。【方法】全国12施設において、4日以上ICUに在室し、2019年10月から2020年7月の時点で退室から1年経過し自宅で生活している患者を対象とした。診療録より、画像上明らかな中枢神経疾患、重度の認知症、1年以内の再入室患者、院内死亡患者は除外した。また、退室から1年経過した月に電話で、死亡、入院中、自記式の質問紙に回答できない患者を確認し、除外後、調査票を郵送した。調査票には、PTSD症状の指標としてIES-R、不安、抑うつの指標としてHADSを使用した。入室形態や重症度等、入院中の情報は、後方視的に診療録より収集した。IES-Rとリスク因子との関連は、IES-Rを対数変換し、また、せん妄日数をICU滞在日数で除し、マルチレベル混合線形回帰モデルを使用した。【結果】調査票は854名に郵送し、返送率は91.2%、拒否者を除き754名を解析対象とした。解析対象群の年齢は70[61-78]才、APACHE IIは14[1-20]、予定手術が47.5%を占めた。IES-Rスコア24/25点をカットオフにしたPTSD疑いは、6.0%、7/8点をカットオフにした不安、抑うつの有病率はそれぞれ16.6%、28.1%であった。多 変量解析では、計画外入院と高いIES-Rのスコアに関連があった。対象患者の約3割がなんらかのメンタルヘルスの症状を持っていた。【結語】PTSD疑い、不安、抑うつの有病率は、過去の欧米諸国の報告に比較し低かった。これには、対象患者の特徴の違いが影響している可能性が高い。また、緊急入室患者はPTSD症状が重くなる傾向が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
集中治療室退室後の集中治療後症候群に関して調査する郵送調査に関しては、予定よりも多い12の集中治療室が共同研究機関となり、また、患者への郵送時の回収率が非常に高く(9割以上)、研究は予定よりも順調に進んだ。当初のサンプルサイズである700症例に達したため、研究を終了し、分析を行なった。分析は11月までに終了し、現在、国際誌に投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
サブグループの分けた二次分析や、未分析のアウトカムがあるので、それらの統計学的な分析を行い、解釈、論文の作成を行う予定としている。一部の二次分析は学会発表予定。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスのパンデミックか下により旅費を使用する機会がなく、学会発表等もオンラインであったため。また、予測以上の速度でデータ収集が終わったため、次年度使用額が残った。解析作業がまだ残っており、作業に必要なコンピュータやソフト、また、すでに論文を投稿しているので掲載料等に用いられる予定である。
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Research Products
(1 results)