2019 Fiscal Year Research-status Report
周産期の助産実践能力形成を促すルーブリックの開発と有用性
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19K10981
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
亀田 幸枝 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (40313671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜 耕子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (30326483)
米田 昌代 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (80326082)
曽山 小織 (高野小織) 石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (10405061)
桶作 梢 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (70785831)
河合 美佳 石川県立看護大学, 看護学部, 助手 (00832916)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ルーブリック / 助産実践能力 / 周産期 / 演習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、周産期のシミュレーション教育と実習で使用できる助産学生の助産実践能力形成を促すルーブリックを開発し、その有用性を検討することである。 2019年度は、アクティブラーニングの実践・評価に経験豊富な研究協力者をメンバーに加えてワーキンググループを立ち上げた。日本の助産師に求められる必須の実践能力(日本助産師会)、臨床判断モデル(クリスティーン・タナー)の考え方、助産師教育の技術項目の卒業時の到達度、先行研究等を参考にルーブリック試案を作成した。現時点でのルーブリック試案は、妊娠期、分娩期、産褥・新生児期の3時期に分け、求める能力として共通の観点を設定し、各時期での目標とするパフォーマンスを4段階(理想的、標準的、発達初期、未熟)のレベルで構成している。 次年度は、作成したルーブリック試案を学内でのシミュレーション演習で実際に使用しながら内容妥当性、表面妥当性について検討し試案の精度を上げることを目指す。具体的には、ルーブリックの構成要素、パフォーマンスの記述表現、レベルの違いの記述表現、評定の根拠等を検討する。方法は、1)研究者である教員数名と学生(ピア)がシミュレーション課題を行う学生のパフォーマンスを観察し前述の点について意見交換する、2)学生は自分のパフォーマンスについてルーブリックを用いて自己評価する、3)教員と学生双方の視点から意見・考えを踏襲する、という段階を踏む。評定の根拠となるパフォーマンス例を抽出し示すことにより、評定者によるばらつきを少なくできると考えている。めざすパフォーマンスを可視化することにより、教員と学生双方が共通認識でき、目標設定が明確化し、かつ適正に自己評価することによって自己成長につながるツールとなり得る。教員にとっては、教育・研究活動を通して自身の教育力の成長に貢献できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍により学内での対面授業が中断し、シミュレーション演習の開始時期が遅れている。現時点では7月からシミュレーションとルーブリックの検討に入ることを予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染予防対策下で3密を避けながらの研究推進となる。シミュレーション課題に対する学生のパフォーマンスは許可を得て録画し、繰り返し観察できるようにすること、リモートでのワーキングも併用しながら行い、ルーブリック試案をブラッシュアップしていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大によって学術集会、研修会等の開催が中止となり、学会参加費および旅費が不要となった。また、シミュレーション教育を先駆的に行っている国内教育機関の視察と評価に関するヒアリングの計画を中止としたのが主な理由である。次年度は、新型コロナウィルスの感染状況を鑑み、オンライン学会への参加経費、シミュレーション教育の強化、ルーブリック開発にかかる専門家への謝金等に充当することを計画している。
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