2020 Fiscal Year Research-status Report
性暴力被害者の回復・成長を支える「司法ケアニーズ対応型助産師教育プログラム」開発
Project/Area Number |
19K10995
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Research Institution | Tokyo Junshin University |
Principal Investigator |
竹元 仁美 東京純心大学, 看護学部, 教授 (10310913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 八千代 安田女子大学, 看護学部, 教授 (10295149)
松本 宗賢 東京純心大学, 看護学部, 講師 (10736482)
前田 尚美 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (60407129)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 性暴力被害者支援 / 司法看護ケア / 助産ケア / 心的外傷後成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
【令和2年度の研究実績】《研究1》性暴力被害者支援に携わっている医療関係者(特に生と生殖に関わる専門職である助産師)、NPOなど支援関係者を対象とした面接法による質的研究を進めている。しかし、<面接調査の状況>としては、Covid-19 の影響で対面での面接調査は進んでいないため、理論的飽和に至る参加者数を確保することは困難な状況である。下方修正をして10例程度確保できるよう再調整する。《研究2》性暴力被害者からのメール相談について、性暴力被害者の回復につながる支援を中心テーマにおき、以下のResearch Questionsに基づいて質的帰納的分析)を行った。①性暴力被害者がメール相談に求める援助と回復支援のありかた 、②性暴力被害がもたらす重大な影響からの回復を促す看護師、助産師の実践、について以下の結果・考察を得た。「現代社会の状況や環境が生みだす性暴力被害;見合いサイト等でのネット恋愛に伴う落とし穴」に陥り、「性の自己決定権の脅かし」により「性暴力被害者の抱える深刻な苦悩」に苦しんでいるが、「得られたソーシャル・サポート;代弁、擁護」に出会い回復につながっていた。回復を支えるためには、混乱、自責、恐怖という苦悩を「受けとめてもらえた」という思いを被害者が抱くことが最も大切で、被害者との対等性を担保し、トラウマ・インフォームド・ケアを提供する必要がある。【今後の展開】研究1は、10例程度のインタビュー調査を予定している(助産師、支援職を中心に)。また、助産師・看護師を対象とし、回復を促す司法助産ケアのありかたについて質問紙調査を予定している。研究2については、年次的な分析を継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在の全体的な進捗状況としては、 【研究1】Covid-19感染症拡大防止による緊急事態宣言・自粛に伴い対面の面接調査が進まないため、当初の計画が終了していない。現時点で、質的研究における理論的飽和に至る参加者数は見込めていないが、さらに10名程度の参加者数を確保したいと考えている。Zoom等では情報の機密性を担保することが難しいが方法論を検討する。【研究2】概ね、計画通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
Covid-19 感染が拡大している状況下ではあるが、【研究1】面接調査の継続、および助産師への質問紙調査を実施する予定である。【研究2】相談内容の質的分析を継続実施する。【本年度目標】2020年2月に日本フォレンジック看護学会が上梓した「日本版性暴力対応看護師(SANE-J)教育ガイドライン第1版」および第2版(2020年11月)との整合性の検討中であるが、心的外傷後成長(Post traumatic Growth)を支える助産師教育プログラムを構築する。
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Causes of Carryover |
Covid-19感染拡大状況により対面でのインタビュー調査ができなかったこと、学会がWeb開催になったこと、研究者の合同カンファレンスの中止、等により計画が遅れたり実施されなかったために未使用額が発生した。 本年度は、面接調査について可能な範囲でのCatch-upをめざす。
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Research Products
(6 results)