2021 Fiscal Year Research-status Report
性暴力被害者の回復・成長を支える「司法ケアニーズ対応型助産師教育プログラム」開発
Project/Area Number |
19K10995
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Research Institution | Tokyo Junshin University |
Principal Investigator |
竹元 仁美 東京純心大学, 看護学部, 教授 (10310913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 八千代 安田女子大学, 看護学部, 教授 (10295149)
松本 宗賢 東京純心大学, 看護学部, 講師 (10736482) [Withdrawn]
関口 史絵 北海道科学大学, 保健医療学部, 助教 (10756414)
前田 尚美 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (60407129)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 性暴力被害者支援 / トラウマ・インフォームド・ケア / 司法看護ケア / 助産師 / トラウマ後成長 / トラウマからの回復促進力 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.面接調査:性暴力被害者への実際の支援を明らかにし、トラウマからの回復に効果的な支援について示唆を得るために、助産師、支援関係者3名を対象として実施した。面接結果、コロナ禍でDVが増えていることを実感しており、家庭内の性暴力被害(実父が加害者で妊娠)、人工妊娠中絶をくり返す等の性被害者への支援について語られた。児童相談所や保健師との連携で支援をしていたが、それが被害者にとって適切な対応、ケアであったかについて悩んでいた。また、性暴力被害者支援について正式に教育を受けていないので、確信が持てず対応に苦慮している実情についても語られた。コロナ禍でのDVや性暴力の実態が語られる中で、社会資源を使いながらできうる支援を行っている現状がみえた。喫緊の課題として、性被害者の回復を促進する実践力を担保する看護基礎教育や継続教育の構築・実施があげられた。 2.情報発信&意見交換会:1)第14回日本看護倫理学会・交流集会「甚大な人権侵害『性暴力被害』がもたらす重大な影響からの回復を促す看護ケア」を実施した(Web;2021年5月30日)。37名の看護職、看護教育者の参加があった。研究で得られた知見を紹介し、性暴力の模擬事例を提示し、回復を促す看護について議論した。参加者から、性暴力被害や甚大な影響を知ることから始める意義、援助方法の工夫、被害者支援の教育の必要性等、率直な意見が述べられた。2)キリスト教文化研究センター主催のシンポジウム「癒しPart.3」において「『性暴力被害』からの回復を促すトラウマ・インフォームド・ケア」について話題提供をした。実際の性暴力被害状況や支援についての質問があった。また、韓国の戦時の性暴力を題材とした絵本が示す癒しについて意見が述べられた(2021年10月23日)。トラウマからの回復(癒し)において、文学、絵本がもつ力についての有益な意見交換ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍により、対面調査が困難な状況にあった。Zoomでの調査も検討したが、内容が非常にSensitiveであり、対面調査が望ましいと判断したため、研究期間を延長することで対応することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
1.面接調査:継続的に質的分析を行っている。理論的飽和まで続けることとするが、研究期間内の実現可能性として10名以内になる予定である。 2.質問紙調査:助産師、看護師、支援職の性暴力被害者支援についての経験、認識、実践能力等を明らかにするための助産師への質問紙調査予定である。 3.ワークショップ開催:助産・看護職、支援職等に対し、研究成果について情報を提供し、性暴力被害者の回復を支える力について意見交換会を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で面接調査が予定通り進まなかったため、計画全体を修正し、次年度に予算を繰り越したことによる。
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Research Products
(4 results)