2019 Fiscal Year Research-status Report
除去食療法を経験している学童・思春期患児の療養行動と支援プログラムの構築
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19K10999
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
宮城 由美子 福岡大学, 医学部, 教授 (20353170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横尾 美智代 西九州大学, 健康栄養学部, 教授 (00336158)
秋鹿 都子 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (90342279)
藤原 悠香 福岡大学, 医学部, 助教 (70755230)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 食物アレルギー / 療養行動 / 学童期・思春期 / 病気への思い |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、食物アレルギーに関する情報も多くなり、平成27年には「アレルギー疾患対策基本法」も施行され社会全体の認知度も高まってきている。子どもは成長過程の中で幾度にも渡り負荷試験を実施し一喜一憂を繰り返し、アレルギー食品の解除へと至っても、子どもにとってはアレルギー食品に対するトラウマでしかない状況になっていることもある。そのため成長発達していく子どもの生活の中での支援の必要性がある考えた。本研究は乳幼児期から除去食を進め成長発達過程における子どもと家族に対して、食品へのトラウマがなくスムーズに食物除去解除(以後解除)ができ豊かな食生活が行えることを目的としている。 本研究の研究目的は、1)食物アレルギーを有する学童・思春期にある子どもの病気体験、特に食生活を中心とした療養行動と子どもが受けた支援内容を明らかにする。2)アレルギーを標榜している医療機関に勤務する外来看護師及び栄養指導を実施している管理栄養士を対象に、除去食を実施している学童・思春期の子どもに対する療養行動を中心とした支援内容を明らかにする。3)乳幼児期から除去食、負荷試験そして解除の過程において、アレルギー食品へのトラウマが生じることがないような成長過程における療養支援プログラムを構築することである。 研究実施計画として2019年度は学童・思春期の食物アレルギー児の食生活を中心とした生活上の把握のため、研究協力を得たPAEが従事している医療機関で、除去食を経験した学童・思春期児童20名を対象にインタビュー調査を計画したが、新型コロナ感染症のため、目的対象数に至っていない。また、2020年度に計画していた医療機関の看護師・管理栄養士の療養支援指導内容の把握のため、福岡県のアレルギー専門医63名が勤務する医療機関の外来看護師、管理栄養士を対象に質問紙調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
食物アレルギーと診断され成長発達していく中で、食物除去や食物経口負荷試験、食物除去解除という体験が、子ども自身の病気体験や食生活、療養行動等について、子ども自身にインタビューを行い、病気や食生活などについての思いを明らかにすることを目的に、対象児(学童及び思春期)に対してインタビューを実施した。研究計画おいては、20名の対象児のインタビューを予定していたが、1月末までで15名を実施し、2月以降コロナ感染症によりインタビューが中断している。 アレルギーを標榜している医療機関に勤務する外来看護師及び栄養指導を実施している管理栄養士を対象に、除去食を実施している学童・思春期の子どもに対する療養行動を中心とした支援内容を明らかにする事を目的に2020年度次子予定の質問紙調査を実施した。 対象は福岡県のアレルギー専門医が勤務する医療機関の外来看護師、管理栄養士とし、学童及び思春期に至った患児に対して①除去食及び解除時の指導内容及び指導方法と頻度、②負荷試験時の指導内容、③食生活や生活全般にわたる療養指導内容について調査した。35名(有効回答14%)の回答を得て、療養支援の対象者は37.1%が保護者であった。看護師、管理栄養士ともに学童期~思春期までの食物アレルギーに関わる機会がなく、療養支援は医師が実施しているという回答が多くみられた。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度に計画していた、食物アレルギーを有する学童・思春期にある子どもの病気体験、特に食生活を中心とした療養行動と子どもが受けた支援内容を明らかにするための、インタビュー調査を完了させ分析を行う。インタビュー調査の分析はグランデッド・セオリー・アプローチを参考に継続的比較分析を行う。また2021年度予定していた医療機関の看護師・管理栄養士の療養支援指導内容の把握については、調査対象を拡大し再度調査を実施していく。
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Causes of Carryover |
2019年度に実施できなかったインタビュー調査に関連する交通費が繰り越しとなり、2020年度に実施予定である。
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Research Products
(1 results)