2021 Fiscal Year Research-status Report
Development and effect of a parenting program for preventing postnatal depression focusing on fathers
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19K11075
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
佐々木 裕子 杏林大学, 保健学部, 教授 (80265769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 真理 文京学院大学, 看護学研究科, 特任教授 (20216758)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 父親 / 出産前教育 / ペアレンティングプグラム / 教材開発 / 産後うつ予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は初めて父親になる男性を対象とし、親役割への適応を促し育児期早期のメンタルヘルス問題を予防することを目的に、子どもの出生前からのペアレンティングプログラムを開発し、その効果を検証することである。プログラムの開発には、学習の効果・効率・魅力の向上を図るインストラクショナルデザイン(ID:Instructional Design)の教材開発プロセスが有用とされていることから、2020年度以降、IDの第1段階であるニーズ分析に必要なインタビュー調査を行ってきた。2021年度はインタビューの対象者を増やし、現在までに8名のインタビューを終えたところである。 これまでのインタビューの結果から、父親が困ったこととして、児の泣きや寝かしつけの対応、パートナーとの関係性の変化に変化に伴うコミュニケーションの難しさ、育児に対する父親としての無力感が明らかになった。また、妊娠出産を経験しないことでの埋まらない妻との距離や、コロナ禍で父親同士のつながりが持てない中での孤独感が語られた。その一方で、子どもや家族と接する時間の経過や育児実践の積み重ねがパートナーの信頼を得、父親役割の明確化や達成感に繋がっていた。また、父親が前向きに育児に取り組むために父親の強みにフォーカスした教材の開発や隙間時間に学習可能な情報の提供の必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度に引き続き、研究代表者が職務上新型コロナ感染拡大に伴う授業や実習への対応など、学部学科運営に関わる業務を優先する必要があり、研究に費やす時間の確保に苦慮したためである。また、研究の進度が遅れたことでインタビュー調査の倫理審査承認期間が終了してしまい、再度審査を受ける必要があったことが理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
ニーズ分析に必要なインタビュー調査を機縁法によりほぼ終了することができたため、父親のニーズに対応した教材の設計と開発を行う。教材はこれまでに研究代表者が開発している母親用の学習教材をベースに父親に特化した学習目標と教育内容を検討する。教材はWeb教材とし、学習システムの基本設計および学習展開を検討する。さらに学習効果を高めるために、クイズ形式、漫画による育児場面の描写、動画による解説を行う計画である。教材が完成し次第、育児期早期の父親を対象に教材を配信し、モチベーションの指標等により教材の形成的評価を実施する。
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Causes of Carryover |
研究が遅れたために、予定していた必要経費がかからなかったため。 2022年度は、①Web教材の作成費、②学習システムに対応したHP製作費、③教材およびプログラムの評価に係る経費と謝礼、④論文製作費等に使用する。
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