2019 Fiscal Year Research-status Report
助産基礎教育における分娩期の異常の臨床判断力を育成する教育方法の開発と効果検証
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19K11083
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
松井 弘美 富山県立大学, 看護学部, 教授 (70515725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹野 京子 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (60363868)
齊藤 佳余子 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (60401808)
工藤 里香 富山県立大学, 看護学部, 准教授 (80364032)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 助産基礎教育 / 分娩期 / 臨床判断力 / 教育方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、助産師の臨床判断モデルを作成することを目的に、1.助産師の臨床判断に関する文献より助産師の臨床判断の概念分析を行う。2.分娩期の異常に対し臨床判断力を有するとされる助産実践能力習熟レベルⅢ(就職後7年以降)助産師の分娩期の異常における臨床判断のプロセスを明らかにする。ことを計画した。 1.については、医中誌WEB、CiNii、メィカル・オンライン、CINAHL、MEDLINEを使用し、キーワードを「助産師」「臨床判断」「臨床推論」、検索条件を原著論文とし検索した。得られた47論文から、分娩期における助産師の臨床判断について記述されていると判断した論文21件を対象に、Rodgersの概念分析を行った。その結果、分娩期の助産師の臨床判断の属性は、【専門知識】【Practice philosophy】【五感を駆使した観察】【継続的な主観的・客観的情報の収集】【分娩進行の阻害要因の見極め】【ヒューリスティックに基づく予測】の6カテゴリーが抽出された。先行要件は、【予測できない不確かな状況】【正常との境界】【トラウマからの不安】【自分自身のアセスメントへの不安】の4カテゴリーが抽出された。帰結は、【正常からの逸脱の回避】【生理学的プロセスに応じたケア】【産婦の固有の経過に応じたケア】【ヒューリスティックの使用によるエラーの可能性】の4カテゴリーが抽出された。概念分析の結果より、分娩期における助産師の臨床判断は「助産師の職業哲学と専門知識を基に、五感を駆使し、継続的に母子の主観的・客観的情報を捉え、分娩進行の阻害要因を見極め、ヒューリスティックに予測している」と定義づけられた。 2.についてはデータを収集中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
助産実践能力習熟レベルⅢの助産師を対象とした分娩期の異常における臨床判断プロセスの質的調査についてはデータが予定していた10名のデータが収集できていない。理由はレベルⅢの助産師は指導的立場にいることより、直接分娩介助をする機会が少ないこと、また新型コロナウィルス感染防止により研究協力施設である病院の出入りが禁止されたことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
レベルⅢ助産師の分娩期の異常における臨床判断プロセスについては、直接介助に限定せず、間接介助における臨床判断もデータとする。 また、データ収集においては、新型コロナウィルスの感染状況を踏まえ、研究協力施設である病院と今後の調整を行っていく。
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Causes of Carryover |
研究対象であるレベルⅢの助産師は指導的立場にいることより、直接分娩介助をする機会が少ないこと、および新型コロナウィルス感染防止により研究協力施設である病院の出入りが禁止されたことにより、当初予定していた謝礼金の拠出が少なくなった。 年度末に予定されていた学会発表が新型コロナウィルス感染防止により、Web学会となったため旅費、ポスター等に係る代金が発生しなかった。 レベルⅢ助産師の研究データは、分娩の直接介助に限定せず、間接介助の事例も含めデータを収集していく。今後の新型コロナウィルス感染状況に応じ調整していく。また当初予定していたデーター整理の為のパソコン、プリンターは購入予定である。
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Research Products
(1 results)